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□キャサリン様へ
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金髪オカッパと言う、良くも悪くも目立つ容姿をしとる平子さんは、あれでも高校教師。
因みに彼女なし。
顔はええ方やのに、あのオカッパが…。
いつやったかその髪型やから彼女でけへんのと違う?
って聞いたら、『この最先端のお洒落が分からん女には、端から興味ない』と、バッサリ。
ある意味凄いお人やと、妙に感心したんを覚えとる。
その平子さんが勤務する高校に、今日から僕も通う。
乱菊。君は何処の高校に通うんやろか。
きっと、えらい別嬪さんになったやろなーーー
とか、新しく通う学校の門を潜りながら、感慨に耽っとったら…
「ギーンー!」
背後から名前を呼ばれた。
彼女の声なんてもう何年も聞いてへんけど、直感で分かった。
これは、乱菊の声やて。
そこから振り向いて、抱きついてくる乱菊を受け止めるまで、全てがスローモーションやった。
抱き締めた感触と、乱菊から漂うええ匂いが、これが現実やて言うとる。
「やっぱりギンだ…。こんなに綺麗な銀髪、あんたしかいないもん」
何やの乱菊。
えらい声が掠れとるね。
やめてや。こっちまで泣きそうになるやん。
「乱菊?顔、ちゃんと見せて?」
僕がそう言うたら、やっと身体を離した。
そして、改めて成長した乱菊を見て僕は息を呑んだ。
(はっ、反則やろコレは!別嬪なんてもんちゃうやんか、女神やんかぁーーー!!!)
心の中で、思いっきり叫んどった。
こうして僕は、想い人との再会を果たしたーーー
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