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□KANA様へ
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 松本とは遠い親戚にあたる。

 あまり会う事はなかったが、写真で見る彼女は他の誰よりも美しかった。

 いつの間にか松本は俺の憧れとなり、恋焦がれるようになった。


 
 「なぁ冬獅郎。お前、乱菊さんの家に住んでるって本当か?」

 クラスメイトで、俺の後ろの席の黒崎一護がそう聞いてきた。

 オレンジの髪に、ぶっきらぼうな態度。

 しかし根は優しい男で、わりと仲がいい。

 「あぁ。松本の家からここへ通ってる。親戚でな。お前、松本の事知ってんのか?」

 「小学生の時から良くしてもらってたからな。あの人、みんなの憧れでちょっとした有名人だよ」

 「へぇ…」

 そうだろうな。

 あの美貌に加えて、気さくで明るく誰とでも打ち解けられる性格だし。

 容姿だけじゃなくて、中身も綺麗なやつだ。

 みんなの憧れっていうのも頷ける。


 「なぁ、黒崎。お前、市丸ギンって知ってるか?」

 「あぁ。乱菊さんの彼氏だろ?」

 「みんな、そう思ってんのか?」

 「みんなそう思ってる」


 確かに、今は違うとしてもそうなるのは時間の問題だろう…。


 それでも、その未来が変えられないとしても、俺は諦めない。


 松本の事を、諦めるつもりはない。


 「なんだ?冬獅郎、乱菊さんの事好きなのか?」

 「まぁな」

 


 誰もが無茶だと笑うか? 

 
 でも、しょうがないだろ?


 惚れちまったもんはよ。



 松本の心に、少しでも俺の名が残ればいい…。




 お前の隣に俺の居場所はないのだとしてもーーー



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