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□ナナ様へ
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 「お父さん…パパ…うーん、やっぱりパパかなぁ?乱菊似の女の子やから、パパやな、うんそうしよ」

 「はっ!てめぇは考えんのが早すぎんだよ」

 「そう言う十番隊長さんこそ、『初めての離乳食』とか読んでるけど、早いんちゃう?」

 「兄ら。まずは、これからだろう」

 そう言うて『名前辞典』と書かれた本をズラッと並べ出す、六番隊長さん。

 「実は子ども好きやんな、六番隊長さん」

 「市丸隊長。こんなものを買ってみたのだけれど、どうだろう?性別が分からないから、どちらでも良いように黄色を選んでみたよ」

 明らかにサイズの大きい肌着を取り出す、五番隊長さん。

 デカすぎや、着れるん何年後やねん!

 「ふん。こんな物もあったら、子どもは喜ぶんじゃないのか?因みに、夜一様をモチーフとしている。有り難く思え」

 二番隊長さんが頬を染めて机に並べたのは、黒い猫のぬいぐるみ。

 「ふむ。儂もこんな物を作ってみた。市丸隊長、使ってくれ」

 小さな靴下を差し出してきたのは、七番隊長さん。

 っちゅーか、編み物するんや…
 
 「市丸、私とお揃いのスカーフだ。貰ってくれ」

 「いや、結構です」

 何であんたとお揃いのスカーフさせやなあかんねん、九番隊長さん!

 八番隊長さんと十三番隊長さんは、子どもの性別について熱く語っとるし、四番隊長さんは相変わらずニコニコしとる。

 ビックリしたのは十一番隊長さんが、『初めての育児』を読んどる事。

 あっ、十番隊長さんが読んどる『初めての離乳食』とおんなじシリーズみたいやな。


 そんな中、総隊長がコホンと一つ、咳払いをした。

 「隊首会、始めてもよいかの?」

 ざわめきが一瞬途切れて、皆の視線が総隊長へと移った。

 が、また各々子ども談義に花を咲かせる。

 「まったく、仕方のない奴らじゃ」

 溜息を吐きつつも、その顔は穏やかなもんやった。


 ボクらの子は幸せもんやな。


 こんなにも皆から、愛されとるんやからーーー


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