お題(ほぼギャグ)
□見た目と匂いでまずアウト
2ページ/2ページ
「いらっしゃーい!さっ、上がって上がって!」
満面の笑顔で出迎えてくれた乱菊に続いて、玄関へと入る。
その時点で何か不思議な匂いがする事に、ギンと一護は気が付いた。
嫌な予感しかしない二人は、顔を見合わせるとグッと拳を握り締める。
「ソファに座って待ってて!すぐ準備できるから」
乱菊に案内されるまま居間へと連れて行かれ、その場で膝から崩れ落ちそうになる自分の膝を奮い立たせた。
乱菊はキッチンへと向かい、リビングのソファに一護と共に座った。
「なぁ、市丸。俺、嫌な予感しかしねぇーんだけど…」
「奇遇やね、僕もや…」
先程から聞こえてくる音。匂い。それに楽しそうに笑う乱菊と織姫の笑い声も、今は不安を増長させる原因の一つだ。
(もしかせんでも、乱菊…料理、しとる?)
嫌な汗が流れた。
あかん。ここにおったらあかん。
だって乱菊は…。全くと言っていいほど…料理ができひん!!、
「お待たせ、ギン、一護」
「いっぱい、食べてね市丸先生、黒崎君!」
顔面蒼白な二人とは正反対で、いい笑顔の乱菊と織姫。
二人は何か得体の知れない物体を乗せた皿をテーブルに置くと、『召し上がれ』とギンと一護に笑いかけた。
…………。
(見た目と匂いでまずアウトーーーー!!!)
「あれ?何でこんなとこに、巨神兵があるんだ?」
ムンクの叫びの如き形相のギン。
涙を流しながら皿を手に取り、ブツブツ呟く一護。
「あんた達のために織姫と頑張って作ったのよ、ハンバーグとオムライス」
「おかわりもあるから、遠慮しないで食べてね。黒崎君!市丸先生」
もはやハンバーグとオムライスの原型もない、巨神兵のような物体が乗ったお皿を見つめながら、数十分前までの浮かれていた自分を呪うギンであった。
(いざ、さらば!!)
「…腐ってやがる…。早すぎたんだ…」
覚悟を決めたギンと、某ジブリアニメの台詞を呟く一護。
さぁ。二人の運命やいかにーーー?
END?