マギ1

□sleep in a storm
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「…いない」




さて、この嵐のおかげで徹夜明けのジャーファル様におそるおそる近づきマスルール様の部屋を聞き出し(隈がすごく怖かった)、彼の部屋を訪ねたものの、まるで使っていないガランとした暗い空間があるだけだった。


じゃあ、あの人はどこで寝て?

もしかして、シャルルカン様とかの部屋に泊めてもらっているのかしら?はたまた、どこかの廊下に転がって…




そこにちょうどよく、意外と早起きなピスティ様が見えたので聞いて見ることにした。



『おはようございます、ピスティ様』



「あ、ナマエちゃん!おはよう!年も近いんだし様も敬語も要らないって言ってるのに〜…」



ピスティ、さんは私を気に入ってくださっているようで、仕事中も誘拐されかけることがままある。

私としては正直…とてもうれしいかも。



『すいません、つい。あのマスルール様をどこかでご覧になっていませんか?』


「あ、ナマエちゃんが起こすの頼まれてたんだっけ。んー、まだ見てないかな」


『そうですか…』



「でも、もしかしたら森かも…」



『森…』



私がオウム返しするとピスティさんは耳を澄ますような仕草をして、呟いた。






「パパゴラス達の声がする」





『ありがとうございます、ピスティさん!行ってみますね!!』




「!、またねーナマエちゃん!」




元気に送り出してくれたピスティさんを背に、居てほしいような、居てほしくないような…、複雑な気持ちで外套を羽織り外に飛び出した。





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