マギ1

□sleep in a storm
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そして、あろうことか彼は嵐の森の中に本当に居た。
もちろん、withパパゴラス達。




前、森に起こしに来たときは私がパパゴラス達に攻撃されてその音にマスルール様が気づいて起きてくださったけど、今日は色々と違った。



まず、パパゴラス達に襲われなかったことだ。

私が近づいてくるのを見つけると警戒態勢をとったけれど、さらに近づくと彼らはクチバシを収めて私に道を開けてくれた。





そして、マスルール様は天気のいい日と変わらずよく眠っていた。森の中だから風はそんなにきつくないけれどそれでも結構吹いていて、雨が冷たかった。




『マスルール様』



「……は、」



『マスルール様、おはようございます』



マスルール様は座って木にもたれかかって寝ていて、冷たくなった腕を揺すると比較的簡単に意識を戻してくださった。そして、目の前に居る私にとても驚いたようだった。




「……何でここに居るんスか」




『いつも通り、起こしに来たまでです』




いつも通りの笑顔を心掛けたつもりだったけど、少しひきつっていたかもしれない。

雨で濡れた髪が額に張り付いて気持ち悪かったけど、そんなこと全く気にならなかった。




「少し、寒いっすね」









『……当たり前でしょう!』



座ったままのマスルール様の顔色が少し血色悪くて、なんだか色々…ここに来るまでに溜まっていた鬱憤が爆発した。






『こんな嵐の日に外で寝て、体が冷えないとでも思ってるんですか?!ファナリスで丈夫なのは存じていますが、もう少し体をいたわってください!この国の八人将ともあろうお方がこんなことで体を壊したりしたらどうするんですか!せめて、自室でなくとも雨風がしのげるところでお休みください!!』




もう、身分が偉い人だとかなんだとか考えずに口から流れるままに言葉を暴走させた。


言い切ると頬が燃えるように熱くなって、
なんだか泣きたくなって、

はしたなくもえぐえぐと嗚咽をあげて泣き出してしまった。


マスルール様の珍しく驚いた顔や見開いた瞳が見えたけど止まらなくって、

雨だか涙だか分からないものを何回も拭っていると、不意に体が浮いて次の瞬間、聞いたことのない音と共に体が風を斬った。









『…え?』







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