マギ1

□1.俺についてくればいい
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あなたが私を奴隷から解放してくれたとき、私はまだ子供で何も知らなくて、何も出来なくて、ただただ明日からの生活に不安を抱いた。



私は明日からどうやって生きていったらいいの?

どこに行けばいいの?

何をしたらいいの?




誰に従えばいいの?







他の仲間達はみんな故郷に帰ろう、あの土地に帰ろう、と湧いていたけれど、私にはそんなことできなかった。

両親とも奴隷で私も産まれながら、奴隷。


奴隷の故郷なんてない。


どうすることも出来なくて、みんながその場を去っても1人ポツンと広場に佇み泣いていると、あなたが声をかけてくれた。



「君は自分の国に帰らないのか」



『私には、…故郷がありません』




嗚咽の間にそれだけをなんとか吐き出すと、濃い紫のような蒼のような髪を持ったあなたはそれだけなのに全てを悟ったようでした。



私の焦げ茶色の髪をしばらく撫でて、そして、日が傾き始めた頃あなたは言いました。




「ならば、俺についてくればいい」



『…』



「俺たちと一緒においで」



君の居場所はここだ、そう言ってあなたは私の手をひいてくださいました。

あの時から、あなたは私の光なんです。





あの時からあなたを頼りに生きてるんです。









夢主ちゃんは両親ともに奴隷なので故郷を知らないんですね
シンドバッドはこどもをよく拾ってそうだと思います

次は大きくなってからのお話になります(多分)
 

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