マギ1
□あそぶのがとってもすきです
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山積みになった仕事が一段落したところでナマエの様子を見に来て、思わず頭を抱えた。なんでこんなところばかり王に似ているのだろう。
「ナマエ!少しも進んで無いじゃないですか!!」
『うー…ごめんなしゃい』
小さな机に突っ伏す姿にデジャヴをかんじる。
しかし、下手に言い訳を並べたりしないところは可愛げがある。
えぐえぐと半泣きになっているナマエの近くに腰掛けて、その小さな頭を撫でつつ手元を覗いてみると書き取り途中のたどたどしい文字が並んでいた。
おそらく、いくら聡明とは言えど、まだ幼いナマエには椅子にずっと座り続けること自体がきついのだろう。
そもそも同年代の子どもは母親に甘えて叱られてを繰り返して、外で駆け回っているはず。
この齢で文字が書けるだけでもたいしたものだ。
少しばかりの罪悪感も感じ、ナマエを膝に乗せた。
しかし、だからといってただ遊ばせるのはできない。
シンならばむち打ってでも机に縛り付けていたら何とかなるが、それでナマエが勉強を嫌いになれば意味がない。
そしてシンの顔が浮かんだ瞬間に思いついた。
あの人は冒険と名のつくものに目がない。
ならば…、
「ーーーナマエ宝探ししましょうか」
『宝探し?』
「ええ、私が今から書くものを晩ごはんの時までに見つけてどんなものだったか教えてください」
『楽しそう!!』
潤んでいた瞳はどこへやら、キャーと手放しで喜ぶその表情はやはり愛らしい。
折角だからとそのまま一緒に昼食をとり、昼寝を挟んでナマエを送り出すと午前中とは打って変わり、待ちかねたように駆けだしていった。
執務室に戻るとまた書類が山積みになっていた。
けれど、外から微かに聞こえた楽しそうな声にあまり深いため息は出なかった。
「私も、やりますか」
願わくば酒癖が悪いところだけは似ないように。
疲れ果てたナマエをヤムライハが拾ってくるのは数刻あとのこと。
あとがき
すみません…なんとなく頭に浮かぶのはこんな感じなんです…σ(^◇^;)