マギ1

□隠し味にも使えます、
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※現パロ












今日は金曜日。
マスルールは休講で大学には来ないし、あったとしてもきっと今日は家を出ないだろう。
だから私が彼のアパートに出向くのだ。



2000年代に入ってから珍しく積もったマスルールの天敵『雪』。外気はいつも以上に冷えてコートとマフラーが無ければ凍死していた気がする。溶けた雪で滑る地面を踏みしめながらも急ぎ足にしていたら、案の定何回かこけかけたので途中で安全重視のヨタヨタ歩きに変更した。


 なんとかたどり着いたボロアパートは優しい値段だが暑さ寒さにはめっきり無防備。形式で押したインターフォンはかわいそうなことに新しい電池は入れられていないので鳴らない。
もう慣れたものなので、スペアキーで勝手に押し入り奥の部屋でこたつに取り憑かれているマスルールに声高らかに宣言した。



『ハッピー"ホワイト"バレンタイン!!』


「…寒いんで戸開け放しにしないでください」



いつもの威圧感はどこへやら、寒さに弱る後輩のあまり怖くもない睨みに大げさに怖がる振りをして水場に繋がる戸を閉めた。
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