マギ1

□sleep with girl
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マスルール様はいつものように木の幹に背中を預けていて、モルジアナちゃんはマスルール様の太ももに頭を乗せて…、二人とも多少の汗をかいてはいるものの気持ち良さそうに眠っていらっしゃる。



それにしても…、こうして見ると本当に兄妹みたいでとても和んでしまう。

そのとき1羽のパパゴラスが私を視認して、マスルール様の耳元でピョンと跳ねた。

そして、1鳴き。




クエッ




『ちょっ』



もちろん、それでマスルール様が起きないわけもない。

ささやかな昼寝を邪魔したパパゴラスを手でいなしながら不機嫌そうに目を開けて、そして、その赤い瞳はすぐに私を認識した。



「……ナマエ?」



『お、おはようございますっ』



寝起きの掠れた声であまりにも自然に私の名前を呼ばれたから動揺して、わけのわからないあいさつをしてしまった。
思ったよりも自分の声が大きくて回りのパパゴラスたちがざわめく、それでもモルジアナちゃんは眠ったままだった。

モルジアナちゃんがこんなにリラックスしてるところは初めてで、ファナリスの聴覚で私が来たことを身体は認知しているんだろうけれども…、起きないってことはよほど疲れているのかもしれない。


そこでなるべく足音をたてないようにマスルール様に近寄り、布をかけた籠を差し出した。
私が両手で抱えていた籠を、彼は右手1本で容易く受けとる。



『差し出がましいかと思いましたが、冷えた飲み物をお持ちしました』



「……」



マスルール様は受け取ってくれたものの、いつもの寝起きのよりも更に反応が乏しい。
籠に一瞥をくれたあと、ぼんやりと私の顔を見つめるその表情は存外あどけない。



「ん……」



「『!』」



モルジアナちゃんが身じろぎをして、二人してその顔を覗きこむ。
だが、その瞼はまだ開かれていない。

マスルール様の大きな手がモルジアナちゃんの少し淡い髪をぎこちなく撫でた。



『では、私はこれで』



「……っス」



一礼をして''失礼いたします''と言外に滲ませるとマスルール様も意味を汲み取ってくださった。
どうやら彼ももう一眠りするように見受けたので、私は足早に退散する。




帰る道すがらずっと呼ばれた名前が頭のなかに反響していて、それでいてモルジアナちゃんを見る視線が優しくて…。
考えれば考えるほど彼への気持ちが交錯して訳が分からなくなる。





ジャーファル様に顔が赤いですよ、と心配されたときは本当に消えてしまいたいほどだった。











あとがき
はい、とんでもない亀更新とか言うレベルではもうないですね。どうもお久しぶりです。
久しぶりに書いてみると、どうも前と同じ文体に書けず、……相変わらずの駄文ですが(^-^;

最近、ランキングサイト様にお声かけをいただいたので新しく登録させていただきました。さすがに放置はいけないだろう…と、言うことで今回の更新でした\(_ _)
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