光の君
□@生徒会室の秘密
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「あっ、・・・そうじゃなくて!」
思わず「はい」と返事をしたものの我に帰るとなんだか大変な事を言われていた事に祐麒は気づいた。
「あのっ、俺やっぱり無理です!」
「何故だい?」
椅子から立ち上がり笑みを浮かべたまま柏木先輩がゆっくり近づいてきた。
「えっと・・さっきはその、俺、他の事に気を取られてうっかり返事しちゃったみたいで・・」
箒を持ったまま少しずつ後ずさる。
「僕と二人きりで話をしている時にユキチは他の人の事を考えていたというのかい?」
俺は他の事って言ったんだよっ!とは思ってても言葉が出ない。
相変わらずの王子様スマイルなのだが今度は逆光になっていてちょっとした迫力がある。
どんどん後ろに下がっていく。まずい、このままではもうすぐ壁だ。
「他の人じゃなくて・・柏木先輩が・・」
「僕の事?何?」
間髪入れずに返してくる。これでは質問責めだ。背中が壁に当たり、逃げ場もなくなってしまった。
どうしよう・・見とれてましたなんて恥ずかしくて絶対に言えない。
「ん・・・」
言葉に詰まって視線をそらしたその時、柏木先輩の手が素早く動いて、祐麒は指でおでこを弾かれた。
「痛てっ・・」
反射的におでこに手を当て、睨みつけようと顔を上げると、すぐ間近に柏木先輩の顔があった。
「わっ・・・んむっ!」
祐麒が抵抗する間もなく、あっさり唇を奪われていた。