光の君

□@生徒会室の秘密
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 祐麒にとってファーストキスの相手は柏木先輩だった。

 これが二度目のキスだけどまた同じ人に奪われるなんて、俺って隙があるのかな。

 最初のキスの時も一瞬唇が触れただけだったから、今回も柏木先輩の戯れなのだろう。
 俺が焦って騒いだりしなかったらつまらなくなってすぐに離れてくれる。
 
 だけどそんな祐麒の思いとは裏腹に、更に深いキスをされた。唇をゾロリと舐められ、舌が侵入してきた。
  
 「ちょっ・・・んんっ・・!」
 
 押し退けようと両手を前に出して胸を押し返そうとしたが、逆に手首を掴まれて壁に押し付けらた。
 祐麒の手に握られていた箒が床にバタンと落ちる音がした。
 必死に手を離そうと抵抗しても、壁に押し付けられた腕はピクリとも動かない。
 抗議しようと開いた口に舌が侵入して絡みついてきた。逃げ場をなくした祐麒の舌を強く吸われる。

 「んんっ・・・やめっ・・・・・んっ!!」

 祐麒はきくつ舌を吸われるたびに、脳が痺れるような感覚がした。
口腔の中を息つく暇もなく柏木先輩の舌に犯され、背中がゾクゾクして呼吸が荒くなっていく。
 
 「はっ・・・・・んちゅ・・・あっ・・・・はぁ・・」

 祐麒は抵抗する力も無くして、なすがままに5分にも10分にも思える長いキスを受け続けた。
 
 「はぁ・・・んぁっ・・・あっ・・・うん・・・」

 (なんだこれ・・身体に力が入らない。それに頭の裏が痺れて何も考えられないくらい気持ちいい・・
俺の身体も頭も変になっちゃったのな?)


 散々祐麒の口腔を犯し尽くして名残り惜しそうに糸を引きながら唇が離れていった。


 掴まれていた両手も自由になったが、しばらく動けずにただ柏木先輩の顔を見ていた。
 
 「おいおい、そんな顔で見るなよ。そんなに僕とのキスが良かったのかい?」

 柏木先輩は意地悪そうに笑った。悔しいけど祐麒は否定出来なかった。
 顔が上気して赤くなり、瞳は潤んで息遣いも荒い。下半身はもっと否定出来ない状態だった。

 「どうして俺にこんな事・・・」

 「ユキチのそんな顔を見たかったのさ。」
 
 祐麒は男に無理やりキスされて気持ちいいと思ってしまった自分が、恥ずかしくて悔しかった。
 泣きたくなったけど、これ以上無様な姿は見られたくないのでそこは堪える。そして思いきり睨みつけた。

 「俺は男は大嫌いです。」

 「あぁ、僕も嫌いだ。」
 
 涼しそうな顔でそんな事を言う柏木先輩が憎らして言葉も出なかった。

 「俺、もう帰ります!」
 
 そう言い放って鞄を掴み生徒会室を飛び出そうとしたら扉の前に柏木先輩が立っていた。

  
 
 

 
 

 
 


 

 
 
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