ハイキュー!<短編>

□これからのこの日<菅原>
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急いで家に帰る
多分、新記録。
そして私は食材を確認


(小麦粉足りない、ああ‥卵も)


足りない物をメモってガシャンと自転車を蹴り上げ坂ノ下に急ぐ







「ハァ‥ハァ‥」


またまた新記録。
普段より10分も短縮した


「急がなきゃ」

(部活が終わるまであと1時間半)


タイムリミットは近い。
私はボールや、ミキサーを急いで取り出した









スガと付き合いだして半年。今日も私はいつもの調子で教室に入った


「おはよー「ハッピーバースデースーガー‥」う?」

「ハッピーバースデーェツゥーユー!おめでとう!!」


パチパチと周りから拍手が巻き起こる
その真ん中にいたのは


「あ、ありがとう」


私の彼氏


「スガ‥」

「おーおはよう」

「今日‥お誕生日?」

「そーだけど?」


サァー‥


全身の血がいっきに下がっていった
そのあとすぐにスガに謝った。するとスガはまたあの笑顔で「いいって生徒会で忙しかったんだろ?気にすんな」と行ってしまった


そんな‥私


その時。スガがクラスの女子に呼ばれると可愛くラッピングされたプレゼントを渡された


嬉しそうに「ありがとう」と微笑むスガに胸がズキンと熱を持つ


スガの彼女なのに‥




スガは優しいからきっとなにも言わないでくれたんだ。でも・・・



時計を見るともうあと1時間を過ぎていた


「急がなきゃ」


今日中に絶対渡すんだ!

そう思いさらに作業スピードが早くなる













「孝支ー!」

「んー?」

「家の前に女の子が立ってるんだけどあんたの彼女?」

「えっ?!」


バッと窓の外を見てみるとそこには見覚えのある背中が…俺は急いで家の外に出る


「ななさん?!」



あ、と言う素直な反応で後ろを振り向いた彼女の頬は赤くなっていた


「こんな寒いなかどうしたの?」


俺は羽織っていたパーカーをななさんに被せながら聞いた


「これっ」


ズイとななさんは四角い箱を俺に押し付けてきた


「??」

「お誕生日おめでとう」


えへっとした照れ笑いで俺を見上げたななさんに一瞬ドキっとする


「これを渡すためにわざわざ?」

「うん」

「携帯で呼んでくれれば良かったのに」

「急いできたから忘れてきちゃって」

「インターフォン鳴らして…」

「そう思ったけどこんな時間だし迷惑なかって思って‥でも良かった!スガが気づいてくれて」


気づいかなかったらずっと居たってことか
風邪ひいたらどうするんだ。ため息をつきたいのをこらえながら
彼女の満足そうな笑顔を見つめた


「スガ、今日ごめんね」


突然謝りだしたななさんになにが?と聞き返す


「スガの彼女なのに一番におめでとう!って言えなくて‥」


「・・・・・」


そんなこと気にしなくていいのに‥俺は知ってる。彼女が本当に周りの為に努力していることを
だからあまり自分のことを責めないで欲しかった。でもななさんは本当に申しわけなさそうなしゅんとした様子で俺に謝ってきて…


「それで、その‥来年は絶対私が一番にスガのこと祝ってあげる。それで…!」


ななさんの言葉を聞き終わらないうちに俺はたまらずその細い腕を自分の方へ引き寄せた。そして彼女の頬に口を落とす



顔は真っ赤っかで口をパクパクさせたまま固まっているななさんをさらにぎゅっと抱きしめる


「約束して」

「えっ?」


抱きしめたまま話を続ける


「来年もその次の年もずっとこれからも俺の誕生日を一番に祝ってくれるって」


ななさんがどんな表情をしていたかは確認できない。でもきっと、少し驚いた顔をしたあと少しだけ頬を赤らめているに違いない。そしてボソッと俺にしか聞こえない声でこう言った







「…当たり前だよ。」
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