ハイキュー!<短編>

□「排球部ってバレー部のことか」<影山>
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黒いカサ
黒いエナメルバック
黒いジャージ
黒い髪の毛

その姿は正にカラスだった













雨は嫌い
自転車が使えなくなるし早起きしなきゃいけないから

憂鬱
今の私にはこの言葉がピッタリだと思った
いつも以上に学校に行きたくない
しかも一時間目から体育だし
胸の中の重たいなにかを肺から一気に押し出して深い深いため息をつく




・・・なんだろう

ため息の後に遠くのほうで動いてるなにかを発見した。"それ"は黒くてなんだかよく分からなくて最初はカラスかなって思ったけどどうやら違うみたい


あ、人だ


よく見てみるとうちの学校の名前が背中に書いてある黒ジャージを着てる


排球部・・・。
どこの部活?


漢字は読めた
でもどこの部活かは全然検討がつかない
(ちなみに最近になって籠球がバスケ部と知った)


バシャバシャ


黒いジャージの子はカサを地面に置いて雨に打たれながら走っていった


意味わかんない


なんでわざわざ雨に濡れてるんだろ
















…………



にゃー














カサに隠れてカサの中に居るこの子が見えなかった


箱は発泡スチロール
中には毛布とあと…


「可愛いがってください‥」


にゃー


中に入っていたメモをボソッとつぶやいた
私の腕に頬を寄せる真っ黒い子猫。“捨てられた”なんて思ってない瞳で私を見つめ返す










「…私ん家来る?」







にゃー





迷いはなかった
うちにはすでに猫が居た別に一匹二匹増えたってそんなに変わりない(はず‥)


まずはお母さんに電話だ


そう思い携帯をバックから取り出す


「あ、お母さん?あのさ‥ものは相談なんだけど……」



お母さんと電話中に子猫がくるまってたタオルに爪が引っかかったらしく悪戦苦闘してた
それを電話しながらさり気なく助けてやる


「うん、うん、出来たら今迎えにきてほしいー…」


爪のとれたタオルを持ち上げる


すると、そこには烏野バレーボール部 影山と書いてあった


このタオルあの黒ジャージの…



さらに子猫の上に覆いかぶさってる黒いカサをじっとみる



なんだろう…
この気持ちは…


にゃー


猫が首を傾げて
どうしたの?って表情で声をあげる


影山…


私はこの時
顔も名前も知らない人物にきっと


恋したんだ
 

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