ハイキュー!<短編>

□失恋、ときどき、涙〈日向〉
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ー…15時13分



長く退屈な授業が今日も終わり黒いジャージに着替えて急いで体育館に向かう


よし!これなら絶対一番
だ。あいつにも負けない


「おねがいしまーす!」


勢いよくドアを開ける

俺は体育館に誰もいない風景を思い描いていた
しかしー…



「…オッス」




「げっ、もう居る
今日は掃除当番ないから絶対一番だと思ったのに」

「俺も今日掃除当番なかったからな」


ふふん、とこちらを見下ろすのは影山
くそー!また負けた
なんでこんなにこいつは
早いんだ?



「明日は勝つ!」

「勝手にしろ」


ビシっ!と影山を指差して宣誓布告をする。それを影山はクールな感じでさらりと交わしていった
なんだよ、連れないヤツ


「あ、そだ、影山今日ななさんみた?」

「ななさん?」

「あ、その様子じゃあ見てないだろ。髪をバッサリ切ってて…めちゃくちゃ似合っててさ」

「…ふーん」


興味なさそうにボールを床に叩きつける


「でも、なんで切っちゃったんだろ?ななさん自分の長い髪自慢だって言ってたのに」

「…原因は、俺」

「……へっ?」

「……………」


影山がボソッと言った
原因?
ななさんが髪を切った理由?
もしそうだとしてもなんで影山が原因なんだ?


「…影山、それって「おねがいしまーす」


俺の声と誰かの声がかぶった。それはたったいま話題になってたあの子だった


「日向はいつもはやいねー」


ニコッといつものように俺に笑いかけるななさんが手に荷物を持って体育館に入ってきた。


「あれ?もう一人いる?」

「あ、うん。影山」


影山って言葉を発した時ななさんはビクッと一瞬肩が揺れた


「…オッス」

「あ、うん…おはよ」

「………」


そのあと黙り込んでしまった2人
…なに?この重苦しい雰囲気は


「…2人なにかあった?」

「別に…」


絶対なにかあったでしよ
そう突っ込みたくなるような雰囲気だけど?


 
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