ハイキュー!<短編>
□はんぶんこ〈影山〉
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「はい、はんぶんこ」
「あ‥どうも」
熱々のあんまん、ピザまんを手で半分にしてお互いに交換する
これが彼女が提案したことだった
「なんか…凄い。」
「何が?」
ほふほふと俺のピザまんを食べてる彼女が聞いてきた
「いや、なんか…肉まん一個の値段で二種類の味が楽しめるってなんか、すげーなーって」
「君、面白いこと考えるねぇ」
ニコニコっと俺の方を見てもぐもぐっと口を動かす。
「そうスっか?」
「うん。だって分け合ったら違う味が食べられるの当たり前じゃん」
そ、そうだけど…
俺が変なのか?ともんもんと考える
「でもやっぱり凄いことかもねー」
えっ、意見変えるの早くね?
「友達とかが居なきゃ1人じゃあ分け合うってこと絶対出来ないし−…あ、そっか。じゃあ私たちもう友達だ」
「…………はぁ?」
「だって分け合って食べたし同じ釜の飯を食ったなんたらって言うじゃん‥もしかして私と友達になるの嫌?」
「え、いや‥そんなこと…ないっ」
子犬みたいな目で見られれば誰だって否定の言葉はかけられない
俺だってそうだ
「良かった!私ななしのななさん 1年1組よろしくね」
「俺は、影山 飛雄1年3組」
「とびうお??」
「とびお!!」
「あははは!ジョーダンジョーダン。ごめんね」
てけてけと笑うななしのに対して何故だか本気で怒れない
こいつ、調子狂う…
「飛雄くん。また一緒に肉まんはんぶんこにして食べようね!」
「え、なんで」
「友達だから!」
キラキラした目で俺をみてくる
「−っわかった!わかったよ!だからそんな目するな、たくっ‥」
「本当?やったー!」
歓喜の声をあげるななしの。面倒くさいやつ
でも嫌な気分ではなかった
手元にあるじんわりとあったかいあんまんとピザまん、おれはあんまんのほうを一口ぱくりと食べた
口いっぱいに広がるあんの甘さ
俺1人だったら味わえない‥とてもおいしいあんまんだった
−−−−−
「てか、タメじゃん」
「あ、そうだね」
「俺今まで敬語だったんだけど」
「私もなんで敬語なのかなーって思ってた(笑)」
「・・・・・」