クローバー郵便
□7話-想い出は蒼く
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残暑もだいぶ落ち着いてきた、ある日の午後。
パーカーを腰に巻き、私はクローバー郵便へと急いでいた。
今日は長瀬さんのバイク修理を手伝わせてもらうのだ。
ガレージを覗くと、大きな背中が見えた。
「長瀬さん」
振り向いた長瀬さんがにこりと笑った。
「いい天気ですね、今日は」
「絶好の修理日和だな」
顔を見合わせ、ふふ、と笑った。
「じゃあ、やろうか」
ガレージに入ると、工具箱を渡された。
「何の修理なんですか」
「サスペンションとキャブレターの調整。いまいち乗り心地悪くてさ」
とバイクの前に座りこんだ。