小説(長編*♂)
□跡部兄弟番外編〜執事・樺地〜
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それは景吾五歳、侑士四歳のときのことだった。
『景吾、侑士ちょっときなさい』
『あ‥お父さん』
『‥はい』
お父さんに呼ばれて父のもとに行くと、その横には見たことのない人が立っていた。
『今日から家にやってきた樺地崇弘君だ。お父さんがすごく世話になった方の息子さんだ。景吾、侑士‥崇弘君は13歳だからお兄さんだと思っていろいろ聞くといい』
『そんな‥ご主人さま。‥‥初めまして坊ちゃまがた、樺地崇弘です。‥よろしくお願いします』
それが、樺地と景吾、侑士との出会いだった。
樺地の何事にも一生懸命な性格は景吾、侑士からも気に入られた。
分からないことがあると父に聞くよりも、樺地を探し樺地に聞くようになっていた。
樺地もまた、弟がいないせいかそんな2人のことを大切に見守っていた。
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