小説
□あと、20円…
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『お会計は、1560円になります』
今日は、なんだか急にコンビニのチーズサンドが食いたくなって、マンション近くのコンビニに立ち寄った。
ここのコンビニは、よく利用する。
大学に通うようになり、一人暮らしをしてからはコンビニはありがたい。
別に、料理が出来ないわけではないが、バイトとかで疲れて帰ってきたときには、簡単にコンビニですませている。
『……買Qッ…』
やばい、財布をみたら…1540円しか入ってない。どうしようか…戻そうかと考えていると…
『…あの……よかったら、どうぞ…』
急に声がした方をむくと、オレより身長は高く、にこにこした人の良さそうな青年がいた。
その青年は、オレに20円を差し出してくれたのだ。
『買Gッ…でも…』
見ず知らずの人に、借りるわけにはいかないので、答えを渋っていたら…
『…使ってください』
後ろをみたら、列になっていたので、その場はお金を借りることにした。
買い物を終えて、オレはコンビニの外で、さっきの青年が店から出てくるのをまった。
少ししたら、その青年はコンビニのビニールを片手に、出てきたので声をかけた。
『さっきは、ありがとう…助かった』
『いいですよ。困ったときはお互い様です』
『でも、見ず知らずの人に…金を借りるなんて…』
『…見ず知らずじゃないですよ…宍戸亮先輩』