霊感事務員

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あれから、1年という長いようでとても短い生徒としての生活が終わり、学園が新学期を迎えてから3ヶ月がたった。いや、夏休みが始まった頃からはもう、学園長の従忍として任務をしていたか。
卒業して、改めて学園長と契約を結ぶときに契約書に書いてあった「主の為、命を捧げる」という条を見たときが、一番卒業したという実感に繋がった。




3ヶ月の間に、俺は事務員として紹介され、新しく入ってきた一年坊主にも少しは懐かれたつもりでいる。
飽くまでも、学園での俺は事務員だ。学園長からの命令がない限りは生徒達を甘やかそうと思っている。にやにやなんてしていない。にこやかなんだ。




学園長からの任務がない時間は、自由にしていいと言われている。
今日もとくに何もない。

ならば、と日課になりつつある学園中の掃除を始めようと箒をもち、着流しの袖を捲りあげ、紐でまとめる。

さぁ掃除しよう、と箒を握り直した瞬間にダァンッ、という物凄い音がした。



「....これは、」


目の前には、小さく抉られた地面。その傍らにボール。
最近の子供は元気がいい、とついこの間キャッキャと騒ぐ坊主達を見て思っていたが、これは、



「あっ!じむいんさん!!!」



元気が良すぎないか、最近の子供達よ。





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