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□混迷の吸血鬼 前編
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それは数カ月前に遡る

親友だった門脇が突然学校にこなくなったことが発端だ
最初の数日間は風邪でもひいたのかな?と思い、さほど気にしてなかった
だけど休みが1週間、2週間と続くと流石に心配になる
俺は学校のたまったプリントを届けるという名目で門脇の家を訪れることにし、実際届けに行ったけど


「門脇、大丈夫なのか?」

『帰れ』

「え?」

『帰れっつってんだろうがよ!』


そう吐き捨てるように言うと、ブツっと乱暴にインターホンを切られてしまった

もちろん何度も足を運んだ
けれど取り合ってくれることはなく、遂には学校も転学という形になり
それ以降はどんなにインターホンを押しても名前を呼んでも
返事は返ってこなかった


そういう訳で俺は心の底から新しい学校生活を楽しもうという気になれない
いつまでも引きずってられることじゃないのは分かってる

けど、何も言わずいきなり俺の前から消えるだなんて酷いじゃないか
せめてちゃんと話をして欲しかったのに…あんな一方的で

お前に何があったんだよ、門脇…
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