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□混迷の吸血鬼 前編
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プロローグ
日もすっかり落ち、蛍光灯がチカチカと点滅する中
2つの人影が揉めあっていた
『っあ゛…、何だお前っ!』
『あまり暴れるな。死にたくなければな』
うちの1人が抵抗するがもう1人の方が力が強く、それをものともしない
『何が目的だ…!金か!?』
『金?ハ…そんなものいらん。俺が求めるのは』
そう声が聞こえると、次に布の裂ける音が辺りに響く
ひと気のない場所だ
異様な音がしても誰もそれには気づくまい
『…血。これだけだ』
プロローグ終