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□第六十七訓 真選組動乱篇
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「ど…どうしよう!!
近藤さんが!!……このままでは近藤さんが…暗殺される…!!
名前さん、これを知ってて土方さんを⁉」
『知ったのはついさっきだけどね。
まさかもうここまで手が回ってたとは………流石、真選組参謀ね。』
「土方さん!!」
新八が土方の肩を掴む。
「僕はしらない、僕はしらない。」
「しっかりしてください、土方さん!
このままじゃ、アナタの大切な人が……大切なものが……全部なくなっちゃうかもしれないんですよ!!」
「銀ちゃん、どうするアル?」
「………………………。」
『…銀ちゃん…………お願い……。』
ミラー越しに見えた名前の真っ直ぐな目を銀時は捉える。
俺達の真選組を
護ってくれ
「神楽、無線を全車両から本部までつなげろ。」
「あいあいさ。」
✳︎✳︎✳︎
ーーーーーー真選組屯所
ガガ…ピーー
[あ〜あ、もしも〜し。
きこえますか〜こちら税金泥棒。
伊東派だかマヨネーズ派だか知らねーが、全ての税金泥棒どもに告ぐ。
今すぐ今の持ち場を離れ、近藤の乗った列車を追え。
もたもたしてたらてめーらの大将首とられちゃうよ〜。]
✳︎✳︎✳︎
「こいつは命令だ。
背いた奴には士道不覚悟で切腹してもらいまーす。」
[イタズラかァ!?てめェ、誰だ!!]
「てめっ、誰に口きいてんだ。
誰だと?
真選組副長!土方十四郎だコノヤロー!!」
ガシャァン‼
銀時は全て言い終わると無線を投げつけ、元の位置に戻す。
『銀ちゃん…。』
「銀さん…。」
「ふぬけたツラは見飽きたぜ。
丁度いい。真選組が消えるなら、てめーも一緒に消えればいい。
名前は万事屋で預かるし、墓場までは送ってやらァ。」
「冗談じゃない‼僕は行かな…」
ガッ!
銀時はハンドルを手離し、土方の胸ぐらを掴む。
「てめーに言ってねーんだよ。
オイ、きいてるか、コラ、あん?
勝手にケツまくって人様に厄介事押しつけてんじゃねーぞ、コラ。」
「あわわ。」
神楽が慌ててハンドルを握り、一先ずパトカーが落ち着く。
「名前が俺に頼むならまだしも、てめーが人にもの頼むタマか。
てめーが真選組他人に押しつけてくたばるタマか。
くたばるなら大事なもんの傍らで剣振り回してくたばりやがれ!!
それが土方十四郎(てめー)だろうが!!」
「…………………。
……ってーな。」
「『!』」
土方の様子に銀時と側にいた名前が気づく。
ミシミシと銀時の腕を強く握る土方。
「痛ェって
言ってんだろーがァァァ!!」
ドゴ‼
土方は銀時の頭を無線機に叩きつける。
『まさか!!』
「まさか…!」
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