企画

□あと6日!
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7月2日 (火) 曇


『ねぇカク。昨日カレンダーみて思い出したんだけどさ』

「奇遇じゃな、ひな。わしもじゃ」

「運命だな、ひな。俺もだ」

『うっせー黙れ変態』


今日も今日とて、パウリーの部屋に集まるわたしたち
他にやることないのかと言われても、ないのだから仕方ない
パウリーが帰ってくる前に、いつものように3人で馬鹿話をしているんだけど…


『ちょっと待って。もしかしたらもしかするかもだし、3人いっぺんに言ってみようよ』

「そうじゃな。もしかするかもしれんしな」

「ひながそう言うなら」



ルッチの言うことは無視しとこう

「じゃあいくよ?せーの…」というわたしの合図の後

『「「来週パウリーの誕生日じゃね?」」』

と、3人見事に被った


そして、今こう言うということは、
3人揃って何も準備していないということ

『やっべ、来週とかまじ鬼畜』

「わしなんも準備しとらん」

「むしろ必要ないだろ。いい年だぞ、アイツも、俺達も」

『お前と一緒にすんな。わたしもカクも、アンタみたいに老けてないから』


それに、大人になった今だからこそ、
馬鹿みたいにお祝い事したいじゃないか
もちろんサプライズで


『パウリーには秘密で準備しよう!ね!カク!』

「そうじゃのう。わしにできることならなんでも手伝うぞ!」


カクならわたしのこと分かってくれると信じてた!
さすが相棒!


「俺も、ひなのためならなんでもする」
そう言ってくれたルッチに「はいはい」とてきとーに答えといて、

『じゃあ、あとで二人にメールするから。パウ誕についてはLINEで相談しよ!』
そろそろパウリー帰ってくるし、と言い終わる前に、
ガチャガチャと鍵を回す音が聞こえてきて、3人で顔を見合わせて無言で頷いた


とりあえずは、
3人だけの秘密ってことで!



パウリーの誕生日まで、あと6日!



(お前ら人んちのもん勝手に飲み食いしてんなよ!)
(うるさいよパウリー!誰が毎日晩飯作ってると思ってるの!)
(俺が金ねぇ理由の半分はお前らのせいだと思ってる)





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