企画

□あと3日!
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7月5日 (金) 晴


昨日の雨が嘘のように、
今日はジリジリと照りつける太陽が憎たらしかった
夕方になって、多少涼しくはなったけど


『ちょっと寄り道してこうかな…』
酒でも買って帰ろうと、いつもの帰り道から外れると、
「ひな」
と名前を呼ばれた
振り返らなくてもわかる
奴の相棒である鳩のハットリが、パタパタとわたしの肩に飛んできた

『ルッチ。ストーカーとかやめてくれる?』
振り返りながらいえば、
「今日はしてない」
と抜かしやがった
いつもはしてんのかコノヤロウ

「今日はケーキの予約をしてきた」
と、少し得意気に予約表を見せてきたのだけど、
ケーキの予約をしているルッチを想像してみたら、我慢できない笑いが漏れてしまった

「笑顔のひなが一番可愛いな」
そういうルッチはいたって真面目な顔で
『パウリーに言われたいわ』
と真顔で言えば
「あんな借金まみれの男のどこがいいんだ」
と返された

どこがって、少なくともルッチよりは魅力的だろ

「ところで、どこか寄って帰るのか?買い物なら付き合うぞ」
ルッチと二人で買い物とかすごく嫌だけど、断っても絶対ついてくるよコイツ

『別に、お酒買いに行くだけだよ』
といえば急に眉間にシワを寄せて
「ひなは絶対飲むんじゃねぇぞ」
と肩を掴みながら言ってきた
『わかってるよ!』
そう返せば、
「そうか、ならいい」
と肩の手を放した

20歳になったとき、4人で一緒にお酒を飲んだんだけど
わたしはすぐ記憶が飛んで、あとから3人に話を聞けば「もう酒は飲むな、絶対に」としか教えてくれなくて
余計気になるだろーが!

「お?珍しい組み合わせじゃのぅ」
『カク!』
さすが相棒!いいところに来てくれた!

「なんだカク、邪魔するな」
『うるせー変態』
「わはは!なんか酷いことされんかったかーひなー」
カクは優しく抱き締めてくれて、やっぱりルッチなんかよりカクの方がいいな!と再確認した

『ほら、今日すごい暑いし、お酒でも買ってってやろうかと思ってね』
「なに!?ひなには絶対飲ませんぞ!」
『分かってるってば!』
前言撤回!カクも嫌い!

早く帰ってパウリーに癒してもらうんだから!!



パウリーの誕生日まで、あと3日!



(ただいまパウリー!)
(おかえりとか言うと思ったか)
(可愛いなぁもう!はい!今日暑いからお酒買ってきたよ!)
(酒!?ひなには絶対飲ませねぇからな!)
(もうみんな死ね!)





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