企画

□あと1日!
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7月7日 (日) 快晴


『見事に晴れたね』
「そうじゃのぅ」

カクとのデート(パウリーの誕生日プレゼントを買いに行っただけ)も無事に終わり、
二人仲良く帰路につこうという頃
空はもう赤くなっていて、
日中よりは大分涼しくなってきたけどまだ暑い


『またお酒でも買って帰ってやるか!』
「ひなはジュースじゃぞ!」
『分かってるって!』

ほんとしつこい!
見た目ならわたしより年下な癖に!
なんだかちょっとイラッとしてしまう

『アイスも買って帰ろう!』
そう言えば、
「おお!わしも食いたいぞ!!」
と、途端に目をキラキラさせた

『じゃ、スーパーまで競争ね!』
よーい、どん!と先にスタートするも、カクに敵うわけもなく
「ずるいぞ!」と言いながら走り出したカクに、あっさり追い越されてしまった
いくら頑張っても追い付けず、少し前を走りながらたまにこちらを見てくるカクがちょっと憎たらしかった


『あー悔しいー!!』
スーパーの入り口前でそう言いつつ息を整える
カクは涼しそうな顔で笑っていた
「わはは!わしもまだまだ若いのぅ!」
『その台詞はどうかと思うけど』

そろそろ入ろうか、と言いかけたところへ、
「カク、ひな。お前らなにしてんだ?」
と聞きなれた声が後ろからとんできた

『パウリー!』
「うわ、お前汗だくじゃねぇか!」
振り返ったわたしを見て一言そう言った
言われてみれば、かなり顔が熱い

「さっき駅からここまで競争してきたんじゃ」
もちろんわしが勝った!と得意気に言うカク
パウリーと並ぶと、ほんとにこの二人は同級生なんだろうかと疑ってしまう

『とりあえず、中入ろ!早く帰ってシャワー浴びたい!』
そう呼び掛けたら、二人は「おぉ」と声を揃えて答えた
ほんと、仲いいんだから!



パウリーの誕生日まで、あと1日!




(よし!家まで競争じゃ!)
(はぁ?ちょっと待てカク)
(よーい、どん!)
(待ってよカクー!)
(おま、今のはナシだろ!!)






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