企画

□想い合う
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『わぁ!可愛い!』
流石美食の街、というか
ただ美味しいだけではなく、見た目も素敵過ぎて、食べるのに戸惑ってしまう
デザートなら尚更だ

わたしとパウリーさんは、ゆっくりと何件ものお店をみて回った
食べるのは勿論、W7には無いものもたくさんあったし、デザインが気に入った洋服など、買い物もたくさんした
来月ちょっとキツくなりそうだけど、パウリーさんとデートできたから良しとしよう
夕方になり、そろそろ帰ろうかという頃

「あ」
パウリーさんが駅のすぐ手前で足を止める
『どうかしました?』
と言えば、
「俺、買い忘れたもんある」と踵を返すパウリーさん
「すぐ戻ってくるからよ、駅で座って待ってろ」
『あ、パウリーさん!』
慌てて声をかけるも、脚の速いパウリーさんはもう遠くに行ってしまっていて
『もぅ、仕方ないなぁ』
と一人で駅を目指して歩き出した




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『遅いなぁ…』
すぐ戻ると言っていたのに、海列車が来る時間だ
もうすぐそこまで来ている

『あ…』
遠くに、パウリーさんの姿を見つけた
海列車は、丁度ホームへ到着したところで
「はぁ、はぁ……悪い!」
そう謝るパウリーさんは、肩を大きく揺らして、手を膝に付いている
そんなに急ぎの用事だったんだろうか?
『大丈夫ですか?えーと、とりあえず、列車に乗りましょ!』

そう言うのとほぼ同時に、
「海列車パッフィングトムは、間もなく発車致します―」
というアナウンスが響き渡る

『嘘っ!』
間に合わない、と思った瞬間、強い力で腕を引っ張られた
「走れ!」
楽しそうな顔で言うパウリーさんに、腕を引いていたのはパウリーさんだったのか、と気づいた


こんなときでも、貴方に触れられたところが熱いなんて…
破廉恥!って、言われちゃうかな?






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