□第1章
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〜伊沢side〜
「「いただきます」」
数年ぶりに食べる美翔さんの手料理。
当時の味は変わらない、いや更に美味しくなっている。


「美味しい!」
「野菜嫌いの僕でもいけますよ。」
皆の顔を見て美翔さんの顔も綻ぶ。
「よかったー。ブランクあるからさー、腕落ちてたらどうしようと。」
「普段料理はしないんですか?」
「いつもはお友達がしてくれるからね。」


「もしかして蘭子さんですか?」
「うん、そう。」
「蘭子さんって?」
「あの写真の娘よ。」
「あっ、わかったかも!」
「河村くんと川上くんはわかるわよね。」
「あー、あのリビングのビキニの写真の。」
「そうそう、すっごい料理上手いからね。いつも大体なんか食べさせてもらってる(笑)」
「僕らも見たいです!その写真。」
「いいよ、ほら。」
「うわー、可愛らしい女性ですね。」
「これね。バリに行った時の写真なんだけど。」
「仲良いんですね。」
「うん、かなり長い付き合い。」
「俺、この前会ったよ。」
「「えっ!?」」
「めちゃくちゃ優しくていい人だった。今月末辺りに東京来るって言ってたからその時会わせてあげるよ。」


「それにしても美翔さん?」
「何?」
「それっておかわり何杯目ですか?」
「ん?3杯目!皆もっと食べないの?食べないなら私が全部いただいちゃうけど。」
美翔さんの大食らいは相変わらず。
川上と河村さんは昔から知ってるからそこまで驚いてはいない。
が、こうちゃんや山本にとっては軽く引くレベルをたいらげているのだ。
「美翔さんの体型の秘訣ってあるんですか?」
「いきなりなぁに?そんなに気になる?」
「ええ、とっても。」
「じゃあ、洗い物したら私への質問タイムにしようか。答えられる範囲で全部答えてあげる。」
「いいんですか?」
「いいわよ、だって気になってるでしょ?謎のトップモデルの素顔だもの、知りたくない?」
「知りたいです!」
「俺も気になってる。」
「了解、それじゃあ洗い物しちゃおっか。」
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