□第1章
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〜美翔side〜
人数分の紅茶を用意。
今日はお気に入りのセイロンティー。
これだけでテンションが上がるのだから私って意外と単純かも?


「美翔さんのプライベートってマジでイメージ湧かないな。」
「事務所がプライベートは喋るなって方針でさー、生活感も人間感も出すなって。」
「確かに。何でも完璧なサイボーグみたいなイメージあった。ほとんど笑わないし。」
「で、みんなは今日の私を見てイメージ変わった?」
「変わりました!美翔さん、めちゃくちゃ笑いの沸点低い(笑)」
「うるさいよ、そこ。」
「はい。」
「やーい、怒られてやんの(笑)」
「はーい、美翔さん!伊沢さんがいじめてきまーす。」
「拓司!こうちゃんが可哀想!」
「えっ………」
「伊沢さんの顔が、顔が(笑)」
「私はこうちゃんの味方だからね?」
「ちょっと!美翔さん!」


「さあ、それじゃあ質問に答えていこっか。まずは何聞きたい?」
「はい!」
「須貝くんだっけ?どうぞ。」
「本名って何なんですか?」
「あー、確かに公開してないもんね。本名はフローラ=ダイアナ=ハナゾノ。」
「美翔は芸名なんですね。」
「ううん、日本名。本名はフローラって言うの。」
「可愛らしい名前ですね。」
「ありがとう、山本くん。」
「ハナゾノってことは親御さんは日本人なんですか?」
「違うわよ、パパが沖縄系の日系3世なの。」
「ブラジルとかハワイとかですか?」
「ハワイよ、実は産まれたのもハワイなの。」
「あっ、じゃあ美翔さんってアメリカ人?」
「そうね、今でも国籍上はアメリカ人よ。」


「アイデンティティはアメリカなんですか?」
「うーん、わからない。どこかの国に属しているって気はしないわ。世界各地を転々としてるし。まあ、その方が私らしいでしょ?」
「なんかカッコいい答えですね。」
「まあ、私には祖国といえる場所もないからこういう答えに辿り着いたって感じ」


「家族構成とか聞いちゃっても?」
「ママとパパ、それからボーダーコリー2頭と黒猫を3匹。」
「あっ、お子さんいないんですね。」
「はっ!?えっ、待って。私子どもいることになってるの?」
「ネット上の噂では。」
「100%嘘です。全くネットって酷いものね。」


「好きな食べ物は?」
「ジャンクフード!ハンバーガーとかポテチ、フィッシュ&チップスも大好き!食べるのはそこそこにしてるけど。」
「ふくらさん、トップモデルもポテチ食べるって。」
「サンドウィッチとかに添えてあるの美味しいよねー、後はパンに挟んだり。」
「やっぱりそこは海外風なんですね。」
「うん、でも日本食も好きよ。料理は作るのも食べるのも好き。」


「趣味や特技も聞いていいですか?」
「そうね、趣味は身体を動かす事。バレエやチアもやってたし。」
「美翔さんの身体の柔らかさは異常やから。」
「川上さん、なんで知ってるんですか?」
「前に泊まった時、風呂上がりにやられたら次の日やばかったから。」
「あったねー、そんなこと。僕もだったから覚えてる。」
「2人ともあの時はごめんね。さじ加減わからなくてさ(笑)」
「じゃあじゃあ、特技はなんですか?」
「楽器演奏とタロット占い。」
「伊沢さんとは気が合いそうですね。」
「でもギターは弾けないよ。1番得意なのはねー、フルート。」
「美翔さん、三線も得意ですよね?」
「えっ!河村くん、なんで知ってるの!?」
「なんでもなにもお泊まりした時に酔っ払って突然弾き出したからやろ。」
「嘘〜!?河村くん、川上くんの言ってることって本当?」
「残念ながら事実です。」
「うわ〜、恥ずかしい…」
「美翔さん、今度聞かせてもらっても…?」
「是非是非、沖縄の風を感じてちょうだい!」


「タロット占いも得意なんですか?」
「まあ家業だしね。」
「すごい!占い師の家系なんですね!」
「いいえ、私は魔女よ。」
「あー、確かに美翔さんお美しいですもんね。」
「そうじゃないわよ。私は本物の現代を生きる魔女の家系に産まれた正統な魔女なの。」
「あー、本で読んだことあります。ヨーロッパの方にはいらっしゃるみたいですね。」
「そう、その一族に私は産まれたの。」
「じゃあ“魔女”って異名は当たってる?」
「はぁ!?ちょっと誰が付けたのよ!」
「いや、雑誌とかネットとかではそう呼ばれてますよ。」
「……はぁ。これだからメディアは嫌いなの。好き勝手言いやがって!」


「ところで現代の魔女って何するんですか?もちろん、魔法は使えないですよね?」
「薬剤師兼占い師兼カウンセラーって感じ。」
「意外と多岐に渡るんですね。」
「そうよ、私のママはすごいんだから。まあ、また今度会わせてあげるわ。」
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