雅華平安〜夢幻の日々〜

□朝ごはん
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〜Floral drop1階〜

カフェのキッチンで朝ごはんを作る機会があるとは思わなかった。
いかんせん8人分の朝ごはんを作るのに普通の家庭のキッチンでは間に合わない。
仕方がないので1階のカフェのキッチンスペースで朝ごはん作り。
とりあえずお米は一升くらい炊けばいいのかな?
お米を洗おうと蛇口を捻ったところ「「水じゃ!」」
みんなで蛇口を覗き込み気分はまるでお祭り騒ぎ。
私は魔女でもなんでもないのだが。
お料理というよりはパフォーマンスに近い状況で料理中。





まぁでも、平安時代の人にしてみれば現世なんて夢の国のような感じなのだろう。
私だって今、ドラえもんとかのアニメでよくある未来の世界に飛ばされたと思ったら普通のテンションでいられる自信はない。





「今日は誠に豪勢な朝餉じゃな〜」
「????」
「わしらに気を使わんでもええぞ?」
「ですから今日はご飯とお味噌汁、あとおひたしとか卵焼きとか数点くらいの簡単なものですよ。」
「でも白米が…」
「あ〜、そっか。平安時代では白米なんて貴重だもんね。」
「現世では白米は庶民でも食せるのか⁉」
「現世ではお米といったら白米の方が主流よ。健康志向の人とかの中には玄米とかが主食の人もいるけどね〜」




「さあ、ではお米を炊いていきま〜す。さてと、炊飯器の中にお米を入れていきま〜す。水を入れま〜す。蓋をしま〜す。」
「………」
「はい、ボタンを押したらこのまま30分置いておきま〜す。」
「「「「お〜っ」」」」
一応、いっておきますが炊飯器のボタンを押しただけです。






さあ、次はお味噌汁を〜と思って冷蔵庫を開けるとまたもや平家の皆様のお目々がキラキラ。
今日は面倒くさいからだしの素でパパッと作ろう。
「その粉はなんじゃ?」
「これはだしの素、入れるだけでお出汁の代わりになるんだよ。」
「現世とは便利なものじゃの〜」
「そうでしょ〜?でも多分平安時代に比べて生きる能力は現代人の方が劣ってると思うけどね」
「そうか?」
「うん、炊飯器以外のお米の炊き方がわからない人も増えてるし、電気とかがなければ現代人は何もできないしね。」
「ところで蘭子どの、火も無いのになんだか熱いぞ?」
「あ〜、うちIHだからね〜」
「???」
「電気を熱に変えて料理に使うのよ。火を使わないから火事の心配もないしね。」







「あっ‼そうだ。お手洗いとか色々と教えてなかったね。」



全員集めてお手洗いやら家電類説明をしたところ、1番反応が良かったのは「電気」という結果が出た。
説明の内、8割が家電と電気の説明で終わった。
どんだけ電気好きなの〜?





さて、お味噌汁の大根が煮立ったところでいよいよ朝ごはん作りも佳境に突入。
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