□第1章
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〜山本side〜
「はい、お待たせしました〜」
美翔さんという女性が入れてくれた紅茶はものすごく美味しい。
そういえばさっき「紅茶の国の人」って言っていたから恐らく美翔さんはイギリスの方なんだろう。


「伊沢くん、ごめんね。急に来ちゃって。」
「いえいえ。それにしても大丈夫でした?」
「大丈夫って…何が?」
「こうちゃん達に何もされてないかってこと!」
「あぁ、それは大丈夫。大体こんなおばさんに欲情する?」
「ダメですよ!美翔さん無防備すぎ!」
「ははっ、ごめんごめん。善処します。」
「ちょっ、伊沢さん?いきなりどうしたんですか?」
「言ってなかったけ?俺と美翔さん付き合うことになったから。」
話の展開が急すぎてついていけない。
「えっ、伊沢さん彼女いたんですか?」
「ついこの間ね。伊沢くん私の実家まで逢いにきてくれたのよ。そこまでされちゃね〜」
「あっ!この前岡崎で撮影の時、この後用事あるって言ってたのは…」
「あら、そうなの?その節はわざわざありがとう。」
「それにしても世紀のビックカップルやな〜」
「うちのCEOと世界的トップモデルのカップルってすぐ週刊誌飛んできそうですね。」
「えっ!世界的トップモデル???」
「まさか2人ともまだ気付いてない?」


「おはようございます。」
「ってえっ!?はっ?ちょっ、なんで?」
「あら、お邪魔してます。」
「須貝さんは気付いたみたいですね。」
「あっ、あのサインとかもらっても…?」
「いいよ。はい、これでいい?」
「やった!一生大事にしよ。」
「そんな大袈裟な(笑)」
「大袈裟じゃないですよ。美翔さんの引退めちゃくちゃショックだったんですからね。」
「引退ってまさか!」
「山本やっと気付いたか(笑)」
「えっ?どゆこと?」
「こうちゃんは相変わらずやね(笑)」
「美翔さん、自己紹介してあげて。」
「青空美翔です。本名は花園美翔って言います。よろしくね。」
「………!?」
「こうちゃんもやっと気付いたか〜」


〜事情説明後〜
「へぇ〜そんなこと全然知りませんでした。」
「僕も少し話では聞いていたけど生で逢うのは初めてだな〜」
「それにしてもこうちゃんのリアクション面白かったわ(笑)」
「もう、美翔さん!からかわないでくださいよ!」
「ごめんごめん。」
「やっぱりモデルさんって大きいんですね。」
「まあね。読者モデルと違ってショーモデルは身長制限あるし。」
「ねえ美翔さん。パリコレ時代の話とかって聞いてもいいですか?」
「全然いいよ〜何聞きたい?」
そっから美翔さんとのパリコレトーク。
なかなか聞けない話だから勉強になった。
そしてなによりも饒舌な美翔さんに驚く。
聞けばカメラが苦手でついついあぁなってしまうんだとか。
美翔さんの意外な弱点を発見した。
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