小説
□野獣の本能
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「ありがとう、ラクサス。助かったわ」
「ん。…礼は忘れんなよ」
「ふふ…ちゃんと覚えてるわよ。座ってて、今作ってあげるから」
ドサッと荷物をカウンターに置いて、ラクサスは奥にあるテーブル席に着く。
「わ、すごい量の食材ですね!」
「だからラクサスを連れてったんですね〜ミラさん」
「ラクサスさんを荷物持ちとして引っ張っていけるのはこの世でミラさんだけですね、きっと…」
紙袋に入ったたっぷりの食材を覗きながら、ルーシィとウェンディはミラに話しかける。
「あらそう?ラクサスって、とっても優しいのよ?」
にこにこと笑みを絶やさずミラが振り返って言った。
「た、たぶん、ミラさんにだけかと…」
ウェンディが軽くツッコミを入れた。
「前から思ってたんですけど…ミラさんとラクサスって、まんま美女と野獣ですよね」
ルーシィの呟きに、すかさずウェンディが賛同する。
「あ、確かにそうですね!」
「…そうかしら?」
鍋をかき混ぜながらミラは苦笑した。
その後も、手際よく料理を進めるミラの傍でカウンターに腰掛け、ルーシィとウェンディはあれやこれやと話に花を咲かせた。
続きます→→→