小説[リクエスト]

□俺以外に見せるな
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**この作品はリクエストにより、グレイとジュビアは付き合っている前提の話です。苦手な方はご注意ください**













「わあ、可愛い!」
「似合ってます!ジュビアさん」

ルーシィとウェンディに次々と誉められて、顔を赤くしたジュビアが少し俯いた。
「そ、そんなことないです…ジュビア、恥ずかしい…」

普段愛用している濃紺のワンピースとは正反対の露出度であるチューブトップのそれを身に纏ったジュビアが、小さな声で言う。
白い肩は剥き出しになり、普段はすっぽりと隠れてしまっている胸の谷間まで見えているものだから手で申し訳程度に隠している。


「反応も可愛いわね」
「だな。しかし似合うな、普段からそれくらい肌を出せば良いではないか」
ミラジェーンとエルザも会話にいつの間にか加わっている。

「は、肌を出すなんて…!!無理です、恥ずかしいし、似合わないし…」
ますます顔を赤くして慌てるジュビアに、ルーシィがぐいっと顔を近づける。
「だからぁ!似合ってるってば」

「…あ。ねえ、ジュビア似合ってると思うわよね?グレイ」
ミラの穏やかな声が、やけに大きく響いた。
「…あ?」
出掛けから帰ってきたばかりのグレイが疲れた顔でジュビアに目をやる。

「グレイ様…!!お帰りなさ、い…??」
帰りを待ちわびていた愛しい人にジュビアは駆け寄ろうとしたが、彼の疲れた顔がみるみるうちに不機嫌なそれに変わるのが分かった為、歩みを止めた。
「どうかしましたか?」
ジュビアはグレイの顔を覗き込んだ。

心配そうに自分を上目遣いで覗くジュビアに内心心臓を跳ねさせながらグレイは軽く睨みつけ、そっぽを向いた。
「なんだよ、それ」
「えっ?」
訳がわからないといった顔のジュビアの体を指さしながら、グレイは更に続けた。
「その服」
「服?…ああ、ルーシィのを借りて着てみたんですよ!ジュビアには似合いませんよね、やっぱり」

悲しそうに微笑むジュビアにルーシィやエルザが声を掛けようと近寄る。
「ちょっと、グレイ…!!!」
ルーシィが文句でも言ってやろうと一歩前に出たとき、グレイが素早くジュビアの細い手首を掴み自分へと引き寄せた。
そして自分の羽織っていた丈の長いジャケットをジュビアの頭からスッポリと被せる。

「あ、の…グレイ様?」
「やめろよな」
ぶっきらぼうに言うグレイの言葉に、ジュビアは小首を小さく傾げた。
「だから、そういう格好」
「あっ、はい…これからは似合わない服は着ないように…」
「そうじゃねぇよ!」
顔を赤くしながら怒鳴ったグレイの次の言葉を、ジュビアは黙って待つ。
「…俺以外のやつに、そんなに肌見せんな」
「は、はい…」

グレイ以上に顔を赤く染めてジュビアは小さく返事をした。
「…分かれば良い。その、なんだ…に、似合ってるからな」
「あ、ありがとうございます…っ!」
ジュビアの頭をポンポンと撫でながらグレイがそう言えば、ジュビアには普段とは違う笑顔が咲く。


「ちょっとちょっと…2人だけの世界に浸ってない?」
「そうみたいね」
「ここがギルドのど真ん中だということを忘れてやいないか?」
すっかり取り残されたルーシィ達は苦笑しながらも、幸せそうに笑うジュビアを見、つられて微笑むのだった。


END



〜〜〜
あとがき

グレジュビであまりイチャイチャ出来なくてごめんなさい(´・ω・`)

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