小説
□ナンパ撃退2
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「キミ、一人なの??」
「俺らとどう??」
肩を掴む手と後ろから掛かった声に、げんなりしながらルーシィが振り向くと、二人の男がニヤニヤしながら自分を見ていた。
「あたし、人と待ち合わせしてるの。だから悪いけどお断りよ」
こういうのは相手をせずにはっきり断った方が良い。ナンパされるのも慣れたもので、それを心得ているルーシィはきっぱりと断った。
「女の子を待たせる男なんてサイテーじゃん。俺らならそんなことしないよー」
「じゃーそいつを一緒に待っててやろーか」
太陽の下で輝くような金髪に、まだ少女のような可愛らしい顔を持ちながら、大きく前に突き出した豊かなバストを隠そうともしない露出の高いチューブトップにショートパンツ。
…男たちは何としても諦めきれない。
「結構よ。子供じゃないんだから、一人で待てるわ」
「えー可愛い顔して冷たいなー」
「ちょっとこっち来てよ」
一人の男がルーシィの腰に手を回して、無理矢理動かす。
「ちょっ、ちょっと…!!やめ…離しなさいよ…!!」
ルーシィの抵抗では男の手はふりほどけず、されるがままになりそうなときーーー
「あちっ!!」
「何やってんだ?」
陽気な声と同時に、男の手は燃えるような熱さに襲われた。燃えるようなーーー
ーーというより燃えている。
「ちょっ…なんだよっ!!」
慌てた男達は手を振り回しながら、走り去って行く。
「ナ、ナツ…!!」見慣れた顔に安堵の表情を見せるルーシィだが「あ、あんた…一般人に魔法使っちゃダメじゃない…!!」すぐに咎めに入る。
「なんだよ。ルーシィが危なかったから仕方ないだろー」
と、悪びれもなく言うナツの台詞に、少しドキッとしながら次の言葉を探す。
「…っ、でも、やり方ってもんが…、元はといえば、あんたが待ち合わせに遅刻してくるから悪いんだからねー!!もう、女の子を待たせるなんて…」
段々小さくなっていく語尾に、ナツが心配そうにあたしの顔をのぞきこむ。
「…ん?どした、ルーシィ」
「…ううん。何でもない。…ナツ、言い忘れてた。助けてくれてありがとう、嬉しかった!!」
怒るのがバカらしくなったあたしは、今ナツに一番言わなきゃいけないことを、近づいて言った。
「お、おう。助けるのは当たり前だから」
照れたのか少しどぎまぎしてるナツが無性に可愛く見えて、あたしまで赤くなった。
END
〜〜〜
あとがき
なんだか難しかったです、ナツ…
ルーシィの一人称はあたしで当たってますかね…?