小説

□ナンパ撃退4
1ページ/1ページ

輝くような緋色の髪を風に靡かせながら、エルザは指定された人気のあまりない広場にたどり着いた。
「まだ来ていない、か…」
誰もいないことを確認すると、近くのベンチに腰掛け、背後の二つの影に声をかける。

「私をずっとつけているのは誰だ?」

すると、いかにもな二人組の男が出てくる。
「良いオンナが一人でどんどん人気のない方へ行くもんだから、誘ってるのかと思ってなぁ」
「俺らと遊びたいんでしょ?」

「………」
男たちのとんでもない思考回路に驚愕しながらも、エルザは表には出さない。
「生憎だが、私は人と待ち合わせをしているのでな。お前たちと遊んでいる暇はない」


「いいねえ。強気な女、俺タイプ」
「泣かしてやりたくなるなー」
男たちも怯むことなくエルザに詰め寄る。

はあっとエルザはため息をつく。エルザは容姿端麗な見た目だが、その身にもつ気迫やオーラのためかナンパの類にはあまりあったことがない。
(これが俗にいうナンパというものか…)
じりじりと間合いを詰めてくる男達。
(一般人相手に魔法を使うわけにはいかないな…さて、どうするか…)


「キミの髪、綺麗な色だねー」
一人の男がエルザの髪を一束摘み上げる。

「なっ…髪に触るな!!」
想い人以外に髪を触れられるのは、何だか気持ちが悪い。いきり立ったエルザが男の手に掴み掛かろうとしたときーーー



「そこまでにしてもらおうか」
優しい、しかし低く響く声が聞こえた。
「彼女に気安く触るのは許せないな」


(ジェラール…)
ジェラールはつかつかと歩み寄り、男達に睨みを利かす。
(こんな顔、普段は見ることが出来ないな…)
自分の為に、想い人がこんなにも怒ってくれることに少し照れ、顔が赤いのを誤魔化すように俯くエルザ。

そうしている間に男達は去っていったらしい。いつもの優しい表情でエルザを見つめながら、ジェラールがこれまた優しく「エルザ、大丈夫か?」などと聞くから、俯く顔をますます上げることが出来ない。


「あ、ありがとう…ジェラール。助かった」
「当然のことをしただけだ。あいつらが、エルザに触れるのが我慢出来なかった」

ジェラールはそう言ってエルザの髪を手櫛で優しくとかす。
(あぁ…やっぱりこの手だけだ)
幸せそうに目を閉じ、ジェラールに身を委ねるエルザにはいつもの凛とした妖精女王の面影はなく、只の恋する乙女ーーー



END









〜〜〜
あとがき

ジェラール、もっともっとイケメンにしたいのになぁ、、、

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ


©フォレストページ