小説

□Wデート
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「こっちこっち!!早く!!」
「あ、待ってください〜!!」
太陽の下で更に輝く金髪を揺らしながらルーシィは、ジュビアの手をとり引っ張る。
引っ張られ走る形となったジュビアのゆるくウェーブした青い髪も同じように揺れる。

2人の艶やかな髪を後ろから見ながらナツとグレイは、太陽と空みたいだなーと同じような事を思っていた。


「うわー!!これが新しく出来た魔法が使われている遊園地かぁ!!」
「なるほど、確かに魔力を感じますね」
2人の少女は遊園地の入り口まで来ると足を止め、辺りを見回す。
「昨日オープンの遊園地のペアチケットを2枚も持っているなんて…ルーシィすごいです」
「この前の仕事の依頼人に貰ったのよ、ラッキーだわ!!」
キャーキャーはしゃぐ彼女たち、このデートに随分気合いが入っているようだ。
フリルのついたチューブトップにミニスカートがその豊かな体を更に引き立たせているルーシィ、ふわふわとした白いシフォンワンピースで普段とは違った雰囲気のジュビア。

一足遅れてナツとグレイが到着すると「おそーい」と頬を膨らますルーシィに、ナツが頭をポンポンと撫でながら「わりー」と返す。

(…ナツさんとルーシィ、恋人みたい。ちょっと羨ましい、です)
仲の良い2人を見ながら、ジュビアが赤面する。
(…たく、考えてることバレバレだっつーの)
そんなジュビアを見ていたのはグレイ。
ここに来る道中、ナツに「気になるならそろそろ態度や言葉にだせよ」と先輩面して諭されたところだ。
頭では分かってはいるがグレイ自身こんな感情は初めてで、いざ言葉や態度に現そうと思っても出来ない。つい思ってもない冷たいことを言ってしまう。

「………。おい、ジュビア、いっしょに「ジュビア!!早くはいろーよ!!」
意を決して誘おうと口に出したところで、ルーシィの明るく大きな声にかき消された。

「……柄でもねェ、な」
グレイがため息をついたのをナツは聞き逃さなかった。


「ルーシィ!!俺、腹減ったー、何か食い行こーぜ!!」
ナツが突然大声で叫び、ルーシィの手首を掴んで引っ張った。
「はあ!?さっき食べたばっかじゃない!!あたしはアトラクションの方に行きたいんだけどー!!」
ナツは抗議するルーシィに顔を近づけて、そっと耳打ちする。
「ばーか。あいつら2人にしてやるんだよ!いくらヘタレのグレイでも、ここなら先にイケるかもしんねーだろ」
「………あッ」
しまった、というような顔をしたルーシィがジュビアの方を振り返り、顔の前で両手を合わせる。
「ごめんねー、ジュビア。あたしそういうわけでナツとレストランに先に行くわ」

「え、えぇ…大丈夫ですけど…」
ジュビアは、どういうこと?というように首を傾げながらも答える。


「おい、グレイ」
事の成り行きを黙って見ていたグレイに、ナツが近づいて声を掛けた。
「お前、しっかりやれよ」

「あ?何をだよ」
「これからジュビアと2人きり、ここは遊園地、観覧車とかお化け屋敷とか…絶好だからな」
「はあ?だから何のことだよ」
「…抱き締めたり、チューし放題だな」
「……なっ、何言ってんだよ、てめー!!」

突然のグレイの大声に、ルーシィもジュビアもびっくりして振り返る。

「ぐ、グレイ様…??」
「あ、いや…何でもねェ、行くぞジュビア」
顔が真っ赤なのを隠すため、ジュビアの手首を引きどんどん進むグレイ。
「あっ…じゃあ、ルーシィ…また後で」
「OK!!仲良く楽しんでねー」
グレイに手を引かれて嬉しいのか頬を朱に染めるジュビアが可愛くて、ルーシィは思いっきり手を振る。


「…それにしても、ナツ気が利くわねー」
「ん?ああ…まあ俺もルーシィと2人が良かったからな!」
「え……ッ///」
一気に赤面するルーシィ。
(もうっ、なんでこーゆー事をさらっと言うのよー!!)




一言も話さず、ずんずん進むグレイにジュビアは恐る恐る声をかける。
「あ、あの…グレイ様?ジュビア、何か怒らせてしまいましたか?」
「あ?何でそうなる」
やっと振り向いてくれたグレイに安堵しながら言葉を紡ぐ。
「グレイ様、何も言ってくださらないし…」
「……………。」
(まじか)
グレイはジュビアを見つめたまま動けなかった。正確には、ジュビアの唇。グロスなどを塗っているわけではないのにつやつやとした柔らかそうなソレを食い入るように見つめてしまう。
(くっそ…あいつが変なこと言うから、無駄に意識しちまうじゃねーか)

「グレイ様…?大丈夫ですか?」
ジュビアがグレイの顔をのぞき込む。急に近づいたジュビアの顔に心臓が飛び跳ねる。
「うおっ…!!あ、わり、とりあえず、なんか乗ろーぜ」
「は、はいっ!!」
恥ずかしそうに、でも嬉しそうにニッコリ笑うジュビアの白い手首をしっかり掴むと、赤い顔を見られないようにグレイは先を歩き出した。



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