小説[リクエスト]

□気がつけば青
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びゅうびゅうと轟く吹雪の中を、グレイは一切迷わず怯まず歩いていた。
腕の中では熱い体のジュビアが苦しそうに不規則な呼吸をしている。

「グレイ様…」
「なんだよ」
「ジュビアのこと、嫌いになりました?」
「あほか、寝てろ」


少しの沈黙の後、こてんとジュビアは寝息を立てだした。

(…あほか)


「嫌いになるかよ、お前を」



普段しつこく付きまとってくる青の彼女を、グレイはいつもめんどくさそうにあしらう。
自分に冷たくあしらわれて落ち込む彼女を見るのが、何とも言えない気持ちになり心地良い。
その直後に少し慰めようものなら、大輪の花が咲いたように微笑む彼女を見ることが出来る。
自分にしか引き出せない彼女の表情を見ることに、一種の快感を覚えているようだ。


なぜこんな感情をもつのか、今までは到底分からなかった。
しかし最近は、自分の奥底にあるその原因に気づき始めている。

(惹かれてんなぁ、俺)


グレイは、腕の中のジュビアをのぞき込む。


(こいつが治ったら、この気持ち、伝えるか…??)

自分の考えに驚いたグレイは僅かに苦笑し、んなわけねーか、と1人頷いた。


(もっとはっきり、愛だの恋だのを自覚してからだな)



片思いの青の少女の想いが報われる日も、そう遠くないはず。


END






〜〜〜
あとがき

リクエストされた方すみませんっ!!!
こんだけ待たせておいて、こんな駄文…

もし良かったら、また違うリクエストでリベンジ小説書かせてください>_<
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