小説[リクエスト]

□青い記憶
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その日の夜遅くーーー
「ミラちゃん、もっかいおかわり」
カウンターで、いつもよりアルコール度数の低い酒を何度目かわからない程おかわりしているグレイに、ミラが顔を近づけた。

「グレイ、何回目?」
「ん…わかんね」
「…いくらいつもより弱いお酒でも、これだけ飲めば同じよ?」
「だなぁ」
「一体どうしたの?」
何回か問うてはいるが、それ以上聞いてもグレイは黙ってしまう。
ミラが困って目尻を下げると、ふとグレイの席からひとつ空けた右側の席に座る人影が現れる。

「ジュビア、だろ?」
「あら、ラクサス…」
口角を微かに上げながらラクサスは言葉を続ける。
「こんな夜中になっても帰ってこねぇから心配なんだろ?何かあったらすぐ行けるように弱ぇ酒飲んでんだろ?」
「………」
図星だったようで、顔を赤くしてそっぽを向くグレイ。

「あらあら、そういうことね」
ふふっ、と微笑んだ後、ミラは急に真剣な顔になる。
「それにしても、確かにルーシィとジュビア遅いわね…何かあったのかしら…」

夜も更け、ギルド内にもこの3人を入れてもチラホラとしか人は残っていない。

ガタン、と音を立ててグレイが立ち上がり、戸まで歩こうとしたとき、勢いよくその戸が開かれたのだった。



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