短編
□事件は会議室で起きている
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黒の騎士団が新たなスタートをきり、暫く経った頃、扇には悩みがあった。
それは────
「ちょっと!あんたそこは零番隊隊長である私の席よ!?」
「何いってるんですか?僕はゼロの弟ですよ?この席は僕が座ります!」
ゼロの隣に誰が座るかで、何故だか最近会議の前にもめるのである。
特にカレンと、いつの間にかすっかり黒の騎士団の一員になってしまったロロは毎回だ。
「たかが座る場所ぐらいで毎回そんなにもめんなよ!お前らが争うくらいなら俺が座るぞ?」
いつまでも席につかない二人に玉城が仲裁に入ろうと……もとい、ブリタニアに拘束されてからヤケにゼロ狂になった玉城が、その席を狙っていた。
「「うるさい!!」」
しかし、この二人にはやはり勝てない。
カレンはゼロの正体を知っていながらも、やはりゼロが好きなことに代わりはないし、ロロはなんと言っても兄・ルルーシュが好きすぎて独占欲が強い。
そんな二人に誰が敵うと言うのやら…
扇はもうため息しかでない。
毎回こんなことで会議が始まるのが遅くなるのはゴメンだ。
だが彼も、実はゼロの隣に座りたいのだが、大人なので何も言わない。
「ゼロ、なんとかしてくれ。これじゃいつまでたっても会議が…」
『なんとかと言われても、私はどちらでも構わないのだが…』
仮面の下のルルーシュは、なぜこんなに争うのかよく分かっていない。
扇がまたため息をついた時、救世主が現れる。
「両側に座ればいいだろう?」
C.C.の発言に、カレンとロロはすごい形相で彼女を見た。