彼と彼女の攻防戦
□STAGE-6 『奪われた 唇』
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「夏祭り?」
「そう!明後日の夜から、枢木神社で夏祭りがあるのよ!C.C.も行くでしょう?」
「そうだな、ピザがあるなら行くぞ?」
すっかり生徒会メンバーと打ち解けたC.C.は、今日は部活はないらしく、シャーリーと夏祭りについて何やら話していた。
「ピザ?…ピザはどうだろ?ありましたっけ、会長」
「流石にピザはないと思うけど…」
神社の祭りにピザって、どう考えても不釣り合いだ。
「オレ見たよ?何年か前にピザ売ってるの…」
「本当か!?よし、なら行くぞ!」
リヴァルの目撃証言に過剰なまでに反応したC.C.は、即座に行くことを決めた。
なんだ、そのピザに対する反応は…
こいつの世界は、ピザ中心で回っているのだろうか。
いや、疑問に思うことではない。
確実に、ピザ中心だ。
毎日見てるこっちが気持ち悪くなるぐらいピザしか食べない。
この女がピザ以外のものを食べている姿なんて、全く想像できない。
朝は遅刻ギリギリに起きるため何も食べないことが多いが、昼と夜は必ずピザ。
とにかくピザ。
全部俺がナナリーの(本当はさせたくない)結婚資金にしようと、チェスで稼いだ金で…
俺が知る限り、間違いなく、ピザ●ットのメニューはすべて食べ尽くしているはずだ。
ピザ女が家に来て1ヵ月。
俺の生活は、この女中心に回り始めている…
「ルルーシュ」
「なんだ」
「私は決めたぞ」
「だから、何を…」
「夏祭りのピザは、すべてこの私が食べる!もちろん、お前の金でなっ☆」
否、この女中心で回っている。
「ふざけるなっ!!」
ピザのこととなると、キャラを忘れてウィンクとか、語尾に「☆」つけたりするこんな女と…
よもやあんなことになるなんて、この時の俺は、まだ知らなかった────