(赤い短編)

□魔星が追い出された理由
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ここは烈帝城の中にある稽古場
そこに一人の武者が剣の術を磨いていた

「はっ!はっ!!」
彼の名は新世将頑駄無…またの名を真駆参
自分の力のみ信じ山で修行していたとこ、今の大将軍
烈光達と出会い自分の愚かさを思い知った
現在は新世大将軍の下についた

そして彼の主な役割は……

「真駆参!覚悟ぉ!!」
ドォオオオン
一人の子供が真駆参に向かって剣をふった
やったか?と思ったが矛先には誰もいない

「あ、あれ?」
「不意打ちとは、随分と卑怯になったのではないでしょうか若」
「わわ!!」
子供は新世大将軍の長男武威ノ進
いつの間にか後ろに回り込んでいた真駆参

「だって、こうもしないと真駆参に勝てないと思ったんだもん」
「まったく…いいですか若、不意打ちは確かに敵を倒す方法の一つではありますが武者としては好ましくない行いです。向かうなら正々堂々と戦ってください」
「うぅ……」
するとそんな二人を睨みつけている
一人の武者の影があった

「武威ノ進…奴とその弟さえいなくなれば……」
チャキと剣を持ち直した
そしてゆっくり近づく、音もたてず、気配も消し
確実に武威ノ進に近づいた

そして遠くのほうで武威ノ進の弟、武威丸が二人に近づいている魔星を見つけた
微かの殺気にも気づき

「危ない二人とも!!!」
「ちっ」
「「!!?」」
魔星は一気に武威ノ進の間合いに迫り刀を振り下ろす
しかし武威ノ進は横に倒れた
剣には確かな手ごたえ
みると武威ノ進の代わりに切られた真駆参がいた

「「真駆参!!」」
「くそ!今度こそ!」
「さ、させるかよ!」
武威兄弟を守ろうと魔星の前に立つ
剣と剣がぶつかり合う
カキンカキンと鈍い音を鳴らしながら
真駆参は腹に大きな切り傷があるため大量な出血をしている
とうとう真駆参は膝をついた
息をきらして
魔星はこの期を逃すまいとトドメをさそうとしたが
それは止められた
魔星と真駆参の間にいるのは魔星の実の兄
轟天だった

「やめんか魔星!!これは何の真似だ!」
「な…あ、兄上!なぜ止めるのです!!こいつらさえいなくなれば!!……くそっ!!」
轟天の圧に押され魔星はその場から逃げた…
烈帝城からも……

「真駆参!大丈夫か!?」
「轟天…殿……助けていただきありがとうございます。」
「もうよい、今大将軍が来る!」
「あぁ烈光か……いや大将軍か…」
「真駆参!」
「まあくすりー!」
武威兄弟が心配して駆けつけた
武威ノ進は真駆参の右手を握る

「安心しろ…これぐらい……」
「もうよい!喋るな!今傷を…!」
だんだん三人の声が聞こえなくなっていく
意識が薄れる…
最後に大将軍…烈光が見えた気がする……
烈光に…言ってないことがあったな……

俺は……出会ったころから…お前が……




好きだ……













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