BテニプリL
□必要な存在
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「ーー…ひかる〜?どこや、光?」
俺はご飯を片手に光を探していた。
やっと食べるようになってくれたご飯も、これでは冷えてしまう。
「ひかーーーーーーあ…」
ひらめいた……
一番日当たりの良い場所へ急ぐと毛布の塊が…
「光、起きや〜、ご飯やで?」
毛布を少しとると「んぅ」と、まだ眠そうな声がした。
「……ん…ご………はん?」
「せやでー。美味しい、美味しいご飯やで?」
「……」
興味をしめしたのか、クンクンと匂い始めた。
しかし、、、
「………いらん」
「なんでや!」
「しらん」
「お腹減っとるやろ?」
「むぅ……」
シッポを変にくねらせる光。
……不機嫌モードだ。
「はあ……なんで食べんの?死んでまうで? 」
「…どーせ死んでもええ命やもん。俺、、、ヒトちゃうし。」
「ーーっ!」
怒ろうと思ったが、できなかった…
やって、目に涙溜めて……
堪えながら言っとんで?
「光…おいで?」
近づいてきてくれた光を抱き上げ俺の膝に乗せた。
「ヒトとか、猫とか……動物とか全部関係ないで? 光は、今を生きとるやろ。生きとる限り、死んだらあかんよ…必要としているヒトたち……友達のために……な?」
「…………お、俺は……誰かに必要とされとん?」
「そらそうや! 光のこと、俺は必要としとるやん。」
「ほ……んま?」
「ん、ホンマや!」
「…えへへ」
始めて笑った光は、一番嬉しそうな表情だった。
そして、初めて……
「ーーーー謙也さん」
名前を呼んでくれた。
「な、謙也さん。ご飯、お腹減った〜、ご飯〜!」
俺の胸に頭をすりつけ、「早う」と急かした。
「…お、おん///」
ホンマかわええ。
捨てる訳がない。
大切な大切な宝物……
ーーーーーー家族やーーーーーー