FAIAY TAIL
□プロローグ
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私は、焼け野原に立っていた。
ただただ立っていた。
どれだけの時間が経ったのか、どれだけの日にちがたったのかなんて、全てを失った私には分からなかった。
全てを失った代わりに、悲しみと絶望、そして、憎しみは心深く残っただけだ。
私の世界は、闇でしかなかった。
そんな闇しかなかった世界に、手を差し伸ばしてくれた人がいた。
『連れとはぐれて、迷子になって一人ぼっちなんじゃ。その連れが見つかるまで、この老いぼれの話し相手になってくれんかのう?』
誰もが、汚い物を見るかのような私を見つけてくれた老人は、とても穏やかな人だった。
けれど、すぐには信用ができなくて、私は何か起きれば、この老人を殺す気でいた。
でも、できなかった。
できるわけがなかった。
『お前さんは、もうワシらの家族じゃ。だから、なーんも心配いらん』
_______好きなだけ、ここにいるがよい。
それが、とても嬉しくて仕方なかったのを、今でもよく覚えている――――――。