FAIAY TAIL

□そろそろ教えてくれないか
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「ラク坊、手伝ってほしい仕事があるんじゃが、頼めんかのう」
「・・・・・・」


朝、目が覚めると、何故か部屋にアリーサの姿があった。
ここ(ホテル)の居場所は、教えてないはず。
なのに、ここにいる。なぜ?なんて自答自問せずとも、答は分かっている。


「(仕事を有効に使ったな)」


なんていうのはどうでもいい。
ニコニコと笑う女、アリーサにラクサスは、露骨に嫌そうな顔をしていた。
頼まれごとはいい。いいのだが、ラクサスはある単語に、反応した。


「もう俺はガキじゃねぇんだ。その名で呼ぶな」
「ははっ。いつもの癖で、すまんな」


そんな満面な笑顔ですまんと言われても、怒りを通り越して呆れるしかないラクサスは深く溜息を吐いた。


「はぁ…簡単な作業だったら、手伝うぜ」
「おっ?本当か!それは助か「その代わり、うちのギルドに入れ」」


あまり期待していなかった返事に、アリーサは一瞬喜ぶが、ラクサスの出した条件に、笑顔が消えた。


「ラク坊、あのギルドは、まだお前さんのものじゃないぞ」
「いずれは俺のギルドになるんだ。俺のものだと言って何が悪い」
「今のお前さんにはマスターは務まらんよ」
「何故だ?あんなクソじじいのギルドなん ざぁ、たかが知れている!」


ラクサスの最後の言葉に、アリーサが纏う空気が、がらりと変わり、思わずラクサスは身構える。


「じい様を、侮辱するな」


いくら、お前でも許さん。
そう言うアリーサが纏う空気が、殺気立つ空気に変わったのを、ラクサス肌で感じ取った。
フェアリーテイル最強に入るラクサスでさえ、身動きが出来ない。


「(コイツ、本当にヘタしたらアノとオヤジと互角か、それ以上か)」


普段は温厚で何かとマイペースなアリーサは、自分のペースを崩さない。
ただ唯一キレるとしたら、フェアリーテイルの現マスターを侮辱することを許さない。
この殺気がいい証拠である。


「…ふっ。で、どうするんじゃ?ラク坊よ」


膨れ上がった風船が、萎んだかのように、張り詰めていた空気が、急に消えてしまった。
ふっと笑うアリーサに、ラクサスは一瞬、何が起こったのか分からず、パチパチと瞬きを繰り返す。


「…はぁ。何なんだ、あんたは。」


にやっとと笑うアリーサに、ようやく理解したラクサスは深く深く溜息を吐き、ベッドへと背中から、ダイブした。
殺気は本物であるが、アリーサはすぐさま切り変えたのだ。


「本当にあんたと居ると疲れるぜ」
「そんな事を言うな。私は、お前と居ると、楽しくて仕方がないんじゃがな」
「それは、あんただけだ。それで、アリーサ」
「ん?」




そろそろ教えてくれないか
「今回は、何依頼されたんだ?」
「ネコちゃん探しだ」
「…………は?」
「いやだからな、」
「…ふざけてんのか!」
「あ、ラク!またんかっ!て、行っちゃった…」





END
(ネコちゃん探しは本当だが、その猫が特殊すぎて、頼みたかったんじゃが…今さら追いかけても、聞く耳は持たんじゃろうな)






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