短編

□期末テスト
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「お?なにしてるんだ?」


「真咲先輩、おはようございます」


「おう、おはよう」




火曜日の花屋、アンネリー。
大学で櫻井の話に付き合ってたりレポートをやってたりなんてしてたら少しバイトを遅れてしまっていた

準備をして仕事にでたらなんだか机に向かって勉強をしているらしい。




「勉強か?、感心感心!」


「テスト期間なんですよ」


「期末?懐かしいなぁ」




笑いながら隣に腰をかける
頬杖つきながら彼女を眺める。

そういえば、本当に懐かしい




「一年のときもこんなことあったっけなぁ」


「…覚えてるんですか?」


「もちろんだ、
まだお前が入ったばっかりのとき教えてほしいってきてくれたよな
あのとき、あんまり仕事以外で話したことなかったから嬉しくて嬉しくて…」


「嬉しくて…?」


「いやぁ!なんでもない!あはは…」





あぶねぇ、なにをくちばしってんだ俺は!
あのときから気になってたなんて言えるわけない

だいたいこいつは高校生。
それも三年という一番忙しい時期にこんなこといったら困らせるに決まってる。


3歳という相変わらずでかい壁。

静かな溜め息をついて勉強してる姿を眺めた



難しい顔して必死に数学を解いていく




「ん?、名前、ここ違うぞ」


「え?どこですか?」


「ほら、ここ
ちょっとシャーペン貸してみろ、」


「あっ、はい…」





シャーペンを借りてスラスラ解いていく

相変わらず俺は途中式わかんないけど名前はもうあのときとは違っていた


一年のときよりどんどん頭がよくなっていた





「じゃあここの公式が違うのか…」


「難しいからな、」



「じゃあ……………………こうですか?」



「おぉ!あってるあってる!はなまるだ!」



「やった!」



自然と近くなってた距離、いまさら気づいて、悪いと身体をよけた

名前も罰がわるそうに目をそらしている


ダメだ、禁止事項に追加だな、
そんなこと思いながらもふと彼女をみれば頬を染めていて心臓がドキッと跳ねた




こいつも、同じ気持ちだったら…




なぁ、

そう手を伸ばしたら伝票で頭を叩かれた




「…真咲君。」


「お、おぅ、有沢、おはよう…」


「おはようじゃないわよ
はやく仕事に戻りなさい

ほら、花の配達今日中にちゃんと届けてよね」



「げっ…」




すっかり忘れてた

溜め息をつきながら伝票を受けとる


うーわ、多いな今日に限って




「名前さんもごめんなさい、
テスト近いのわかるけど休憩、もう切り上げてくれないかしら、今日混んでるみたいなの」


「はいっ、全然大丈夫ですよ、ありがとうございました!」


「んじゃ、いってくるわ」


「えぇ、くれぐれも事故には気を付けてね
わたしも仕事に戻るわ」




勉強道具を片付ける名前に頭をぽんぽんと優しく置く。
彼女ははっとして照れくさそうに笑うのをみて満足して車に向かおうとした。


だけど、後ろから引っ張られて。

ゆっくり振り向くと名前が袖をつかんでいた




「なんだ?

仕事戻らねぇとやばいだろ」




また同じように頭をぽんぽんとすると彼女はあの、と静かな声で呟いた




「わたし、目標ができたんです

二流大学合格して、絶対真咲先輩と一緒に大学生活送るって、
覚悟しててくださいね?」




まるで小悪魔みたいににやっと笑うと名前は満足したようにエプロン着けて仕事に戻った


取り残された俺は期待していいのか?なんて一人で問いかけながら満足して、配達へと向かった。













****



真咲先輩率恐らく高めになるかと。
 

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