短編

□似たもの同士
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野球で散々練習して家に帰ったら元春がいた

おかえりーと俺の買った野球雑誌を読みながら俺を見向きもせずそれだけを呟いた


……デカイ靴があるとおもった。

なんとなく予想はしてたから特別驚きもせずスクールバックをちゃんとあった場所に置いて制服を脱いでハンガーにかける




「…家ここじゃないだろ
なにくつろいでんだよ帰れ」


「つめってーな。あいっかわらず」



昔はおにいちゃーんなんてハートなんてつけながら俺にすりよってきたのによと口を尖らす

飽きれとどうでもよさがごっちゃになって部屋着に着替えてベットにねっころがった




「…なぁ、きょうはさ…名前は…「あいつなら相変わらず女といたぞ
あと名前はぜったいやらん」

まだなんにもいってねーのに…」



「慣れた。
元春がここにくる理由なんて名前か俺の親の飯目当てだろ」





携帯をバックから取り出してメールを問い合わせる


…新着メールはありませんの文字





「…だっよなー…
俺ってわかりやすい?」


「あぁ。かなりな」




携帯を充電させると元春が溜め息をつきながら立ち上がって俺の横に雑誌をおいた


思い詰めたような難しい顔をする

いままで元春に彼女いるのは何度か聞いたことはあったがこんな思い詰めた顔をしてるのは見たことがない


よほど真剣なんだろう




「…3歳ってでかいよなーー…
オマエが羨ましいよ勝己」



急に座ったと思えば苦笑いしてそういった

そうだな、確かに俺も名前と同級生でよかったと心の底から思ってる


元春が見たことがなかった顔もおれは見られる

たっくさん一緒にいれる




「まあでも、負けねぇけどな」




そうにやっと笑うと荷物をもって帰るかーなんてぼやきだした



「…なにしにきたんだ」


「あたりまえだろー?
ライバル宣言?」


「…あほか」





わかりやすいように深い溜め息をついたら頭をガシガシおもいっきり撫でて楽しそうに笑う元春



「本当に兄弟みたいだよな俺ら

好きになる女まで一緒だとはなーー
勝己じゃなかったら勝てる自信結構あったんだけどな」




「もう敗北宣言か?」



「…言うじゃねぇか
負けて泣いても慰めないぞ?」


「いつの話してんだ」





そういったら元春がでかくなったなと笑っていた

親友 幼馴染み 友達 近所の人 兄貴

全部当てはまりそうになるから怖くなる
俺も元春じゃなかったらもっと気楽にできたのかもしれない。


余裕がなくなったのは全部こいつのせいとかいったらなんというだろう

本気になった俺は 俺を変えたオマエを好きになった


もう二度と嘘はつかない
直球でいくから、すべてを伝えるそのときまで









           似た者同士
         ((  久しぶりに出会った彼はずいぶん大人になっていた  ))




       
 

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