free!

□Two persons meet in a dream again.
1ページ/1ページ




「今日の練習メニューは…」


水泳部の練習メニューを頭に浮かべながら階段を上っていると、前から人とぶつかってしまった。


「あっ…ごめんなさっ」


ん?身体が後ろに倒れている…?謎の浮遊感。


「ちょ、君っ!」


ゴツンと鈍い音が頭のところでした。

そこまで高くから落ちてはいないが、壁に頭をおもいっきり打ってしまった。やってしまったと鈍い音がしたところを手で触れ、見ると血がタラーッとついていた。視界も歪んできた。

あぁ…


「鯖!! 」


あれ、遙の声が聞こえる。バタバタとこちらに来る足音。重たい瞼を開けると遙がいた。


「ん、遙…?」


「大丈夫か?!保健室へ連れていく」


遙は私を抱え、(俗に言うお姫様抱っこ)はや走で保健室へ向かった。
不幸なのにちょっと幸せな気分になった。
私はそのまま目を瞑った。



目を覚ますと、隣に遙が寝ていた。頭が少しボーッとする。そうか、確か階段から落ちて…
あれから何時間寝たんだろう。外が茜色だった。


「…夕方!?」


バッと身体を起こすと、寝ていた遙が眠そうに起きた。


「起きたか…大丈夫か?」


遙は私の怪我をした所を触れる。そのときに、何かガーゼかしていることに気づいた。


「大丈夫だよ、ありがとう遙」


お礼を言って笑うと、遙は照れくさそうなか顔になった。でもすぐ心配そうな顔の遙に戻った。遙の手は怪我をしていた所から私の頬に触れ、優しくなぞった。


「良かった…でも無理すんな」


そのとき、すごく遙が心配してくれたんだなって実感した。


「うん!もしかして遙ずっと居てくれたの?」


「あぁ」


なんて優しい人なんだ。そう思った。
じゃあ遙、水泳部行かなかったんだ…

もしかして私のため?なんて自意識過剰なことを考えてしまった。


「水はたくさんある。けど鯖は1人さかいないから。 」


「あ、声に出してた!?」


「なんとなく。」


すごいなぁ…


「真琴たちが来るまで時間がある。まだ寝てろ」


「じゃあ遙も一緒に寝よう!」


「なっ…!」


「ね?」


遙は分かったと渋々ながらもベットに入ってくれた。ネクタイを緩める遙。


「は、遙…!」


私が思ったことに気づいたのか、遙の顔は赤らめた。


「…違う!!」


「そうだよね、遙は病人を襲ったりしないもんね〜」


ちょっと拗ねた遙は寝返りをうち、背中を向けたまま寝た。
そのまま2人ぐっすり眠ってしまった。
でも起きた時には2人とも正面を向いていた。
それから真琴たちが来たときの状況は…言うまでもない。
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ