free!
□Two persons meet in a dream again.
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「今日の練習メニューは…」
水泳部の練習メニューを頭に浮かべながら階段を上っていると、前から人とぶつかってしまった。
「あっ…ごめんなさっ」
ん?身体が後ろに倒れている…?謎の浮遊感。
「ちょ、君っ!」
ゴツンと鈍い音が頭のところでした。
そこまで高くから落ちてはいないが、壁に頭をおもいっきり打ってしまった。やってしまったと鈍い音がしたところを手で触れ、見ると血がタラーッとついていた。視界も歪んできた。
あぁ…
「鯖!! 」
あれ、遙の声が聞こえる。バタバタとこちらに来る足音。重たい瞼を開けると遙がいた。
「ん、遙…?」
「大丈夫か?!保健室へ連れていく」
遙は私を抱え、(俗に言うお姫様抱っこ)はや走で保健室へ向かった。
不幸なのにちょっと幸せな気分になった。
私はそのまま目を瞑った。
目を覚ますと、隣に遙が寝ていた。頭が少しボーッとする。そうか、確か階段から落ちて…
あれから何時間寝たんだろう。外が茜色だった。
「…夕方!?」
バッと身体を起こすと、寝ていた遙が眠そうに起きた。
「起きたか…大丈夫か?」
遙は私の怪我をした所を触れる。そのときに、何かガーゼかしていることに気づいた。
「大丈夫だよ、ありがとう遙」
お礼を言って笑うと、遙は照れくさそうなか顔になった。でもすぐ心配そうな顔の遙に戻った。遙の手は怪我をしていた所から私の頬に触れ、優しくなぞった。
「良かった…でも無理すんな」
そのとき、すごく遙が心配してくれたんだなって実感した。
「うん!もしかして遙ずっと居てくれたの?」
「あぁ」
なんて優しい人なんだ。そう思った。
じゃあ遙、水泳部行かなかったんだ…
もしかして私のため?なんて自意識過剰なことを考えてしまった。
「水はたくさんある。けど鯖は1人さかいないから。 」
「あ、声に出してた!?」
「なんとなく。」
すごいなぁ…
「真琴たちが来るまで時間がある。まだ寝てろ」
「じゃあ遙も一緒に寝よう!」
「なっ…!」
「ね?」
遙は分かったと渋々ながらもベットに入ってくれた。ネクタイを緩める遙。
「は、遙…!」
私が思ったことに気づいたのか、遙の顔は赤らめた。
「…違う!!」
「そうだよね、遙は病人を襲ったりしないもんね〜」
ちょっと拗ねた遙は寝返りをうち、背中を向けたまま寝た。
そのまま2人ぐっすり眠ってしまった。
でも起きた時には2人とも正面を向いていた。
それから真琴たちが来たときの状況は…言うまでもない。