ティータイム

□真夜中のお茶会
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ここは帽子屋屋敷領土。

庭で姉さんを待ってはずなのに、突然現れた白ウサギに無理やり連れてこられ、そのまま置き去りにされたアリスは辺りを彷徨っていた。


そして運良くなのか帽子屋屋敷の主、ブラッド=ディプレに遭遇しここに滞在することになってからはや数時間帯が過ぎ去っていた。


ここは、正直言って居心地がいい。


主のセンスが感じられる内装、主にシルクハットがモチーフになっている。
最初は「変な趣味だわ」っと思っていたものの、ブラッドに会えばその考えも消えた。

なんせ、ブラッドの服装自体が可笑しいんですもの。
頭にはシルクハットを被り、服にはシルクハットのデザインが沢山散りばめられている。

「ふふふ・・」

アリスは最初にあった時の事を思い出したのか、笑みがこぼれた。


「お嬢さん、思い出し笑とは随分下品じゃないか」

「・・・・・・・・」

そうだったわ、今お茶会中だったわ……私とした事が!


時間帯はブラッドが好む夜。

仕事が終わったアリスは自室に戻っていたところ、ブラッドに捕まり庭でのお茶会に付き合っているのだ。


「んっ!このお茶とても美味しい!」


「さすがお嬢さんお目が高い。それはこの間やっと手にいれた代物でね。フフフ、喜んでもらって嬉しい限りだよ」


あぁ…それで私を呼んだのね。納得だわ。

ブラッドは良くエリオットやディー、ダムを呼んでお茶会を開く。

だが…やんちゃな双子や短気なうさぎさんのせいでゆっくりお茶を楽しむことができないブラッドはたまに私と二人でお茶会をする。


まー、嫌味なブラッドを除けばお茶も美味しいし、茶菓子も絶品なのでお茶会は好きだ。嫌味なブラッドを除けば、だけどね。


「なんだいお嬢さん?そんなに私の顔をそのような目で見ないで欲しいのだが」


「あら、ごめんなさいね」


おっとっと、どうやらブラッドの顔をガン見していたらしい。


「そんなことよりもお嬢さん、ここ生活にも慣れたかね?」


「えぇ、慣れたわ。でも…殺されかけた子供達に遊ぼう遊ぼうって懐かれるのはすごく変な気分だけど」

無邪気に笑う双子が思い浮かぶ。


「遊び、とかいいつつ間違って殺されちゃったりしないか毎回心配で仕方が無いわ」


「子供は飽きっぽい上に残酷だからね」


「それはあなたにも当てはまることなんだけど?」


「そんなことはないさ、君は結構気に入ってるのだが……やはり、分かっていないようだ」


「私は、オモチャじゃないわよ」


そう言うとブラッドが溜息をついた。


「やはり、お嬢さんは面白いね。飽きそうにないよ」


「でも、いつかは飽きるでしょうね」


はぁ…飽きられたら殺される生活。なんてスリリングなんだ。

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