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□執事組と凸面鏡女
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とつめんきょう【凸面鏡】
〔名〕反射面が凸面になっている鏡。自動車のバックミラーなどに用いる。
とつめんきょうおんな【凸面鏡女】
〔名〕伝承に残る妖怪。凸面鏡に映り美しい姿をしているが、実際は恐ろしい姿をしている。



執事組と凸面鏡女



ア「ちっす」
ト「ちーす」

トイフェルは週二日、厨房でアルバイトをしていた。

フ「今日ヒマか?ヒマ」
ア「かなりヒマ」
ト「アレスさーん、ちょっと聞きたい事があるんですが」
ア「何」
ト「女性は男の何処に惚れるんでしょうね」
ア「ああ…顔じゃね?」
ト「いや、話終わっちゃいますからそれ。それ以外で何か他にありません?」
ア「そうだな…友達の彼女が言ってたんだけど好きって言われると好きになっちゃうらしいぜ」
ト「へえ、そんなものなんですね」
ア「まあ、顔が気に食わないから取り敢えずフるらしいけど」
ト「結局、それですか!」
ア「で、何でそんな事を?モテたい訳?」
ト「いや何言ってるんですか。俺普通にモテますし。フォイフォーイさんはどうなんですか」
フ「‥‥‥‥ モテるよ」
ト「嘘吐かないでください、俺なんて庭で女の子に殴られたことあるんですよ?」
ア「マジで?」
フ「物騒だな…」
ア「あたしも聞きたい事あんだけどさ。何で男共は聞いてもいない自慢話をいきなり始めるわけ?」
ト「‥‥‥‥」
フ「‥‥‥‥」
ト「今まですみません」
フ「これからは気をつけます」
ア「凄いって言って欲しいわけ?」

ト「まあまあ、それは置いておいてですね」
フ「てゆーか、お前らは仕事しろよ」

ト「そうだ、アレスさんはどうなんです?」
フ「アレスさんはなぁ」
ア「何だよ…」

ト「俺が思うにアレスさんはもっと自分を磨いた方が良いですね」
ア「は?」
フ「そうだな、せめてな」

ト「もっと努力しましょう、アレスさん!」
フ「努力が足りない」

ア(くそうぜえ、こいつら…)
「おい、フォイフォイ。そこの凸面鏡貸してくれ」
フ「これか?」
ト「何でそんなものがうちにあるんですか」

カッ。
(そのとき、凸面鏡にとんでもない美少女が映った。
しかし、現実は目を限界まで開くただのアレスなのである。
※まあ文章で表すのは不可なので、凸面鏡に映っているのはとにかく美少女、絶世の美少女と思って頂きたい)

ア「‥‥フッ」
ト「‥‥ちょっと待ってくださいよ。何勝ち誇ってるんですか。ていうか、今の誰」
フ「話戻るけど人間顔ってわけじゃ」
ア「あーもう、うるせーな!あたしの負けで良いから仕事しろ!」

ト「行ってきまーす」
フ「行ってきまーす」

フ「なあ、執事長。鏡の中のあの娘にもう一度会えねーかな‥」
ト「不可能でしょうね、あの娘はファンタジーです。ですが、俺は諦めませんよいつかあの娘を‥」
ア「さっさと行け、馬鹿共」

end

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