その他

□花は咲く
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いよいよ学園祭当日。



直前まで揉めていた企画もみんなで案を出し合って、最終的にわたしがまとめ上げた。


飾り付けには一日のほとんどを費やした。

下校時間の9時ギリギリまで残り、作業をした。
あれだけバラバラなクラスが、意外なまとまりを見せたのは驚きで、なんだか嬉しくなった。


そして迎えた学園祭。

団子の1日目のノルマ300本は午後2時をまわった時点で完売した。


翌日の仕事を当番の子達に引き継いで、わたしと彼女は2日目をぜんぶ遊ぶ予定。






これが最後、かーーー



3年間を振り返ってみて改めて思う、この子が好きだ。



初めての学園祭はいっしょにまわった。

あの頃はただの友達どうしで。
「かわちゃんと二人でまわるー!」
と部活の1年生全員に話していた。先輩たちも知っていた。

「ホント仲いいね、あんたらは」
と先輩に呆れられるほど仲が良かった。



2年生の時は、わたしはテニス部の他の子達とまわった。

あの子に、彼氏ができたからだ。



そもそもあの子が告白されて迷っているときに「とりあえず付き合ってみてから決めればよくない?」と恋愛上級者ばりにアドバイスをしてしまったのはわたし。


相手はバスケ部で背の高い津島。短髪だけどおしゃれにしてる感じで、口が大きくて常に喋ってる。

となりのクラスだけど噂はよく聞いた。かなりの女好き。


当時もわたしははっきりと恋心を抱くことはなかったけれど、学園祭中偶然見てしまった津島とあの子が仲良く手をつないで歩くところ。

わたしの前で見せるのと種類のちがう笑顔。



その光景がいつまでも頭から離れなかった。



付き合って3ヶ月で、二人は喧嘩を理由に別れた。

心のどこかでホッとした自分がいた。


やっと、戻ってきた。


本当は、学園祭のときの彼女の笑顔を見た瞬間からモヤモヤしていた。

なんで、なんでーーー





わたしの中から彼女を追い払うのは、たぶんムリ。





「かわちゃーーーん」
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